高まる「本物志向」。中国大連のコスプレイベントで日本のコンテンツホルダーの勝機を探る

カメラ目線の鉄板ポーズで応じる中国のコスプレーヤー

 5月15日から17日にかけて中国大連で「2015ChinaJoy Cosplay」が開催された。  同イベントは、大連最大規模のアニメとコスプレの祭典として、春と秋に開催されており大連を代表するサブカルイベントの地位を確立している。会場になったのは、大連港近くに新しく開発された東港にある大連国際会議センター。同会場は、夏のダボス会議も行われる大連を代表する巨大施設だ。ここに、アニメやコプスレ関連の商品を展示、販売するブースが40ほど並び、3日間で約3万人の来場者で賑わった。  会場にはコスプレ愛好者が集結し、互いのコスプレを競い合っていた。また、同イベントは、コスプレチームによるコンテストも行われ、上位入賞者は、6月に長春で行われる東北2次予選、さらに勝ち抜けば、7月30日から4日間開催される中国コスプレチーム一を決める上海全国大会へ出場することができる。  このブースの1つに日本人DJ Oka氏も出店していた。DJ Oka氏は、日本人で唯一ブースに立っていた人物で、3日間にわたりコスプレチーム大会の間をDJプレイで盛り上げた。  DJ Oka氏は、自身が主催する「Moe Moe Party」で日本のアニメ、コプスレ文化を啓蒙しているが、今回は、日本から持ち込んだ初音ミクとコラボした目薬や限定CD、フィギアなどをブースへ並べ来場者の注目を集めていた。  会場をぐるりと回るとさまざまなグッズがあり、日本への理解や日本のサブカル浸透に一役買うと思われる。  しかし、これらの「日本のサブカル」に詳しい中国人、K氏に話を聞くと、会場で売られている多くの商品は、中国で製造されたもので、多くがノンライセンス商品だという。すなわち、こららは当然ながら日本側へ著作料が入ってこない。これだと日本文化は浸透しても、日本企業へ利益は入ってこない。  ただ、それでは日本の著作権者がここに入る余地はないのかというと、そんなことはない。

中国のアニメ好きの「本物志向」が高まっている

各ブースにはさまざまな関連グッズが販売されている

「来場者やコスプレーヤーのレベルも上がってきて、日本の本物を求める声が増えてきています。そのニーズに応えるために日本企業がどう中国企業と上手に協同して本物を提供し、日本へも利益をもたらす仕組み作りができるかが今後の課題だと思います」(K氏)  DJ Oka氏も「中国独自のアニメ文化も発展していますが、アニクラDJ、ヲタ芸、日本限定商品など、ファンは日本のリアルな文化を求めているのを強く感じましたね」と語るように、アニメやコスプレでも本物志向が高まりを見せているようだ。  来場のコスプレヤーに話を聞くと、「今回の衣装は淘宝網(中国最大のネットショップ)で買いましたが、(買えるなら)日本製のものが欲しいです」  日本で売られているコスプレ衣装も中国製が多いと思うがと著者が質問すると、「日本で販売されたものであれば、多少高くても買います。理想は直輸入されたものですね」と、例え中国製でも日本で販売されたものは質が違うと考えているようだ。中国製だが日本が徹底した品質管理をして、ブランド価値を生み出すユニクロ製品と同じと言える。  今後、中国のヲタクたちのますます熱くなるハートをつかむために日本企業は、彼らが携帯電話代を削ってでも買いたいと思わせる価値があるものを仕掛けていくことで新しいチャンスが開拓できるのではないだろうか。  今年2月、北海道で開催された初音ミクのイベント限定で販売されたサイリウムは、展示品だったにもかかわらずぜひ売ってくれと多くのヲタクたちに迫られたとか。  さらに、5月20日には中国政府からの要望で富田勲氏の北京公演に初音ミクが中国初上陸を果たし、喝采を浴びた。  日本人のヲタクたちを魅了する付加価値を感じさせるような限定品や本物は、中国のヲタクたちも同じように魅了する。そのため、このような高付加価値グッズは、単価の安い海賊まがいのノンライセンス商品とは違う次元で勝負することができるだろう。  交渉を重ね、こうした商品の販路を拡大することは、結果的にノンライセンス商品を市場から駆逐することにつながっていくのではないだろうか。 ⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=42759 <取材・文/我妻伊都(Twitter ID:ito_wagatsuma
PC_middleRec_left
PC_middleRec_right
関連記事
PC_fotterRec_left
PC_foterRec_right