こじはる着用で日本でも人気。急速に進化するタイのアパレル業界
http://www.buyma.com/)での販売が中心だ(※2015年7月1日~7月22日の期間限定で、ラフォーレ原宿に出店予定)。
デザイナーはタイ人女性のビービーさん。彼女は、これまでデザイン学校に通ったことはなく、趣味のひとつで服を自作。およそ8年前から販売を始め、今の場所で『チュアンピサマイ』を始めたのが5年前だそうだ。店名は両親の名前を組み合わせたものだという。
「2014年から注目され始め、現在は日本での売上が大半を占めています」
ビービーさんは日本での人気の高さから、正規代理店の契約や直営店出店も検討している。2016年にも始動できればと考えている。
『チュアンピサマイ』が日本でヒットしているのは有名人が雑誌や映像で着用したことがきっかけだが、そもそも日本に持ち込んだバイヤーがいる。「ワダハナ」というバイヤーだ。叔母と姪のふたりで活動しているバイヤーで、20代前半の姪がチャトチャックを歩いていて偶然みつけたのだそうだ。
ちょうどビービーさんを取材しているときにもワダハナが買い付けに来ていた。
大きめの袋が10袋近くにもなっていたが、それでもまだまだ足りないほど売れているのだそうだ。
「『チュアンピサマイ』はよくある花柄というものを、彼女の奇抜なアイデアでよりよいものに仕上げられている点が人気の理由かと思います」
そうワダハナは『チュアンピサマイ』を評価するが、日本進出は慎重にするべきであると考えている。
というのも、今の人気がどれほど続くのかは誰にもわからないことと、タイ人デザイナーが日本で通用するのかが不透明であるという点だと説明する。
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一方、タイ在住が10年を超え、夫がデザイナーである畠中明子さんは真逆の考え方だ。
「タイ人デザイナーは日本でも認められつつあると思います。色使いも日本人デザイナーとは違いますし、感性が豊かです」
彼女の夫はタイの最高学府であるチュラロンコーン大学のデザイン学科出身であり、タイや海外の有名ブランドのチーフデザイナーなどを経て、現在は『POST-NERD』という個人ブランドで成功している。
タイのファッションや縫製技術はこの10年ほどで大幅に変わった。以前は、Tシャツも男性女性向けの違いはなく、ただサイズでしか選択肢がなかった。それが今では大幅に躍進している。
その背景には、現在のタイ政情不安の一因になっているタークシン元首相が在任当時にファッションショーなどを積極的に後押ししたことがあった。そのころから縫製技術もかなりよくなり、先進国の衣料となんら遜色のないレベルに仕上がってきたのである。
「わざわざ中国製ではなくタイ製であることを確認して買う人も増えています。タグにもメイドインタイランドと付けることを必須条件にするバイヤーもいますよ」(畠中さん)
畠中さんは、タイ人デザイナーおよびタイ製のファッションが今後も日本では増えていく可能性があると見ている。
「タイのファッションをメディアがもっと積極的に紹介してくれれば、タイ製品を扱ったセレクトショップなどももっと増えると思います」
そう畠中さんは考えている。『チュアンピサマイ』の人気は、日本におけるタイ・ファッションのブレイクのキッカケになるかどうか。今後に期待していきたい。
⇒【画像】はこちら https://hbol.jp/?attachment_id=42180
<取材・文・撮影/高田胤臣>
●取材協力/チュアンピサマイ https://www.facebook.com/ChuanPisamai
photo from chuanpisamai’s Instagram https://instagram.com/chuanpisamai/
●POST-NERD http://www.post-nerd.com/
AKBの小嶋陽菜さんや元AKBの河西智美さんらが自身のInstagramや雑誌などでビキニを着ていたことで注目を浴びるようになったブランドがある。
『チュアンピサマイ』というのがそのブランドなのだが、実はこのブランド、タイのブランドなのである。
さぞ大きなブランドなのかと調べてみると、バンコクのウィークエンドマーケットで有名な「チャトチャック市場」の中にある小さな店舗であった。
チャトチャック市場は古着や雑貨などで有名な場所である。しかし、最近はタイ人デザイナーの個人ブランドも多く出店し、タイ・ファッションの最先端を行くスポットである。その最先端スポットにあるとはいえ、『チュアンピサマイ』は今のところ実店舗はここ1軒のみ。あとは今のところ、ネット通販や日本人バイヤーの買い付けによる通販サイト「BUYMA.com」(
独学で服を作ってブレイクしたタイ人女性
飛躍的に進化したタイのファッション業界
(Twitter ID:@NatureNENEAM)
たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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