経済指標に頼らない「社会的進歩の指標」ランキング、最新版で日本は15位に

「社会進歩指標」(Social Progress Index)というものをご存知だろうか?  これは、米国のNGO「The Social Progress Imperative」が2013年から発表している指標で、132か国を対象に、ざっくり言えば「経済成長の指標に頼らないで社会的な幸福感を測定」している指標である。というと、単なるお花畑的な発想に基づくものかと思いきや、そういうわけではない。  なにしろ、同団体は、ハーバードビジネススクール教授のマイケル・E・ポーター氏がチェアマンを務めているのだ。マイケル・ポーター氏といえば、政府や大企業の戦略アドバイザーを歴任し、「5F(ファイブフォース)分析」(業界内での勝負を決める5つの競争要因から業界の構造分析を行う手法)や「バリュー・チェーン」(企業の全活動が最終的な価値にどう影響するかを総合的に分析・検討する手法)といった企業の戦略分析の大御所である。  過去には、『MBA100人が選んだベスト経営書』(東洋経済新報社)で、著書『競争戦略』が第1位を獲得したこともある。  そんな彼が、「GDPが社会的進歩の唯一決定要因にはならない」と言い、経済制度以外の、人々の生活を向上させる社会的な進歩を評価の基準として掲げているのは非常に興味深いと思わないだろうか?

評価の基準は生活の質にかかわる項目

 指標は(1)「人間の基本的欲求」、(2)「幸福への基盤」、(3)「機会」の3つの大きな構成要素で評価される。  その3つの構成要素は、(1)であれば、「栄養と基本的医療サービス」、「上下水道の整備」、「住居」、「安全」などで評価されるし、(2)「は基本的な知識へのアクセス」、「情報へのアクセスとコミュニケーション」、「健康」、「生態系の持続可能性」、(3)は「個人の権利」、「自由と選択」、「寛容さと包括性」、「高等教育へのアクセス」などを細かく評価の対象にしている。

1位はノルウェー。日本15位の内訳は?

 この2015年版である「Social Progress Index 2015 Report」が、4月14日に発表された。  注目のランキングだが、上位10か国はこの様な順番になっている。 1:Norway 2:Sweden 3:Switzerland 4:Iceland 5:New Zealand 6:Canada 7:Finland 8:Denmark 9:Nethelands 10:Australia ⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=41917

「Social Progress Index 2015 Report」より

 気になる日本は、アジア圏ではトップとなる15位。これはアメリカよりも上にランクされている。  評価の内幕を見てみると、(1)の「人間の基本的欲求」カテゴリでは5位にランクするほど好順位に入っている。しかしながら、(2)の「幸福への基盤」と(3)の「機会」はどちらも19位、20位と順位が低い。 ⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=41916

Social Progress Index 2015 Reportより

 (2)では、「生態系の持続可能性」がダントツに低い数値に。また、(3)は、「寛容さと包括性」について改善の余地があるとされている。 参照:The Social Progress Imperative (http://www.socialprogressimperative.org/) <文/HBO取材班>
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