カナダのAIIB参加は「トロイの木馬」!? 仏メディア報じる
オバマ大統領の政権下で米国の世界における威信は弱まるばかりだ。それを加速化させているのが中国とロシアだ。その手段のひとつに、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立がある。既に、57か国が加盟しているという。まだ加盟していない主要国が米国、日本、そしてカナダであった。しかし、カナダがついに加盟を決めたのは記憶に新しいところだ。
フランスの国際的NPOのニュースサイト「ヴォルテール・ネットワーク」によれば、このカナダの参加は、アメリカにとって「トロイアの木馬」になる可能性があると言う。(http://www.voltairenet.org/article187608.html)
トロイアとは「ギリシャ神話」に登場する伝説の都市トロイアのことである。架空の都市であると言われていたが、ドイツ人シュリーマンは実在の都市だと信じて、発掘調査をして1870年代にその存在を実証した。
この発見によると、トロイアは現在のトルコに所在し、紀元前2500-2000年頃に栄えた都市である。
そして、ギリシャ神話で描かれたトロイアを舞台にした戦争、トロイア戦争において、件の「木馬」が登場する。
伝説の概要はこうだ。トロイアへの攻撃に手詰まりになっていたギリシャ軍は、ある策略を思いつく。それは、撤退したかに見せかけて、兵を潜ませた木馬を放置するという作戦だった。トロイア側はまんまとこれに騙された。ギリシア人は撤退し、木馬だけが残されたのだ。そして、唯一騙し役として残ったギリシア兵が喧伝した「残された木馬を城門の中に入れると、ギリシャに勝利したことになるという予言があった」という言葉を信じて、木馬を中に入れてしまう。
結果は、有名な話だ。戦勝に酔いしれている隙に、木馬の中に隠れていたギリシャ兵が外に出て、近くの島に待機していたギリシャ軍を呼び、一気にトロイヤを壊滅するのである。
ヴォルテール・ネットワークによれば、今回中国がこの木馬にしたのがカナダなのだという。人民元をもった中国人が木馬に乗り込んで、隙あらば外に出て北米支配を企んでいるというのだ。
カナダを足場に人民元の北米覇権を狙う
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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