帝王切開天国!? 中国、出産の現実
⇒【後編】「口コミを信じ、縁起を担ぐ国民性も要因」に続く https://hbol.jp/41512
<取材・文/我妻伊都(Twitter ID:@ito_wagatsuma)>
「周りのママ友たちが皆、帝王切開で出産していたので驚いた」と話すのは、中国遼寧省出身で、日本で出産して一時帰国中の中国人女性だ。
中国では帝王切開が多いと言われるが実際はどうなのか。2008年のWHO統計によれば、日本約16%、アメリカ約30%、韓国とブラジルは40%を超えているといい、世界的には上昇傾向を見せている中で、とりわけ中国が帝王切開の比率が多いと指摘している。
確かに、中国における2008年の帝王切開での出産割合は46%。同2001年の統計では約20%なので急増していることが分かる。現在では、全体の50%以上が帝王切開で出産していると推測されている。
中国では病院が自然出産や無痛出産などの選択肢を与えない、30歳以上の妊婦は強制的に帝王切開での出産となるなどという話を耳にするが、果たしてそれは本当なのだろうか? 医療機関の関係者に尋ねるとそれは有り得ないと強く否定する。
「確かに中国の帝王切開率は高いです。しかし、患者希望で帝王切開を選択する人が多いのが現状です。また、病院側もリスクを背負いたくないので、患者や家族にしっかりと説明し、同意書類を何枚も書いてもらっています」
どうやら半強制というのは事実ではないようだ。
しかし、WHOでは、全体の出産に占める帝王切開の割合は15%が望ましいとしており、中国では、全体の25%の帝王切開が不必要に行われているとも指摘している。
なぜ、中国ではこれほど高い数値を記録するようになっているのか。患者側と病院側の2つの側面から考えてみたい。
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