
 現在は、オンライン全盛時代だ。安価なSIMサービスが登場し、テザリング機能によってWi-Fi機能しかないモバイルPCも、場所を問わずネットワークに接続できるようになった。さらに、様々なクラウドサービスによって、パソコンで作成したファイルをオンラインで参照して、スマートフォン&タブレットでプレゼンするといった作業も難なく行えるようになった。
 そんなオンライン全盛時代において、ビジネスマンが日々のスケジュールを管理するとしたら、どのような環境を構築すればいいのだろうか。
スケジュール情報はGoogleカレンダーに集約させる
 毎週のようにやってくる会議、クライアントとの打ち合わせといった用件ならどんなスケジュールアプリでも管理できる。しかし同僚とチームを組んで動いているならば、予定をお互いに確認できる環境が必要だ。
 この1点において、情報を集約させるべきカレンダーアプリは「Googleカレンダー」しかない。急ぎのミーティング時も参加者全員に通達をだしやすく、Facebookなどのイベント情報と連携して、プライベートなスケジュールも一括管理できるといったメリットもある。
 またGoogleカレンダー内のスケジュール情報を、企業内で使われているグループウェアと連携する機能もある。以上のことから、Googleカレンダーはビジネスマンにおいて必須と考えるべきだろう。
Windows PC+スマホで使うべきカレンダーアプリ
 会社からWindows PCが支給されている場合、メールソフトにはOutlookが使われていることが多い。Outlook.comはマイクロソフトが提供している無料のメール&スケジュール管理サービスだが、Outlook、Googleカレンダーとの連携機能も充実している。
 Android用にも多くのスケジュール管理アプリがリリースされているが、あえて純正のGoogleカレンダーをプッシュしたい。そもそもAndroidを開発しているのがGoogleということもあり、Googleの各種サービスはAndroid用アプリの形をして初めて世の中に提供されることが増えてきた。すなわちGoogleカレンダーというサービスを最も使いこなせるのはアプリ版のGoogleカレンダーとなる。
 反面iPhone版Googleカレンダーは、Android版よりも新機能の追加タイミングが遅い。しかし2015年3月にリリースされた最新版ではAndroid版に機能面で追いつき、さらにiCloudやExchangeとの連携も可能になった航空会社やホテルなど、一部企業に限定されるがGmailに届いた予約メールを識別して、自動的にカレンダーに登録する機能も備えている。少なくとも2015年5月時点において、トップクラスに使いやすいカレンダーアプリであることには違いない。
 ただし、Apple Watchを導入した人ならば、iPhone純正のカレンダーアプリを使ったほうがいい。カレンダーで情報を管理しておかなければ、手元で予定を確認することができないためだ。
・Mac PC ⇒ Fantastical 2 for Mac(有料)
・iPhone ⇒ Fantastical 2 for iPhone(有料)
 Windows環境においては無料もしくは標準搭載のアプリを使うのが一番だが、Mac PCを使っているのであれば話は別だ。予定を入力するための時間すら短縮できるように、自然言語認識技術を駆使したアプリとなっているのだから。もちろんGoogleカレンダーとの連携機能もある。
 iOSのリマインダー機能とも連携。Fantastical 2の画面上からToDoリストを作成できる。複数のカレンダーセットの切り替えもすばやく行えるし、極力ユーザーの手間をかけないようにとユーザーインターフェースの視点で練られたカレンダーアプリに仕上がっている。
 またiPadの画面を生かしたFantastical 2 for iPadもリリースされている。iPadにネイティブ対応した完成度の高い多機能型カレンダーアプリがほとんどない(Googleカレンダーですら未対応だ!)現状を考えると、日々多くのスケジュールに追われているビジネスマンこそ、Fantastical 2を導入したほうがいいだろう。
 メールアプリ、タスク管理アプリは、ビジネスシーンにおいて重要度の高いアプリだ。しかしカレンダーアプリも日々の予定をつつがなくこなす上で欠かせない。合理的で扱いやすいカレンダーアプリを用いて、日常のストレスを極力低減しよう。 <文/武者良太>
【武者良太】
スマートフォン、デジカメ、オーディオをはじめ各種ガジェットのレビュー・インタビューを担当しているフリーライター。ギズモード・ジャパン、WIREDなどのWEB媒体を中心に活動している。