日本の桜も多くの観光客が楽しんだ
訪日観光客の買い物平均支出額は2014年春の8万8767円から2015年初旬には17万4円、約1年でほぼ倍増していることがわかった。
この調査は、電通の全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」がインバウンド消費が注目を集める中、訪日観光客の消費実態を把握するために行われたもので、東アジアの5エリア(北京、上海、香港、台湾、韓国)で、過去1年以内の訪日経験者を対象に行われた。
同調査によれば、買い物だけで50万円以上を消費する観光客は全体の4.1%、北京・上海では10人に1人となっている。また購入個数に着目したところ、同一カテゴリーの商品を6個以上購入する人の割合は、約1年前と比べ13カテゴリー全てで増加しているという。
この背景には自分のものを買うだけでなく、他の人のために買う消費行動「やまわけ買い」がある。
特にこうした「やまわけ買い」では、「医薬品」「ヘルスケア・化粧品」「家具」「トイレタリー製品」が対象になっているという。
一方、「家電製品」「AV・音響機器/スマートフォン・タブレット」「衣服」はどちらかといえば自分のために購入することが多いようだ、
北京・上海からの訪日観光客は、インターネットやテレビ、家族・友人の話を普段の情報源としており、「家電製品」を購入する際に日本で接触したメディアとしては、上記に加え、北京では雑誌、上海では航空会社の機内配布パンフレットが上位に挙げられている。
また、日本や日本の商品に対するイメージは総じて上がっており、「商品・サービスの質が高い」「自国よりも商品が安く購入できる」「本物(偽物ではない)の商品を購入できる」というイメージが訪日観光客の中で増加している。
モノだけではなく、観光地自体も、リピーターが増えたことやツアータイプから個人アレンジの旅行が増えつつあり、インバウンド効果は首都圏から地方へと拡大しつつあるという。中でも、和歌山の高野山や広島の厳島神社、静岡の御殿場などへの訪日観光客が増加しているという。
訪日観光客の訪問場所 伸び率順トップ 15(電通調べ)
<文/HBO取材班 撮影/我妻伊都>