「派手なIPO」は傍観するに限るワケ
ニュースをまとめて配信するアプリを作っているGunosyが4月28日にIPO(Initial Public Offering)する。株式市場が好調な今年は新規上場が多数予定されているが、新規公開株はどのような動きをするのか。’12年以降に上場したベンチャー企業の初値(上場後、市場で初めてつく株価)を検証してみた
⇒【前編】IT関連のベンチャー起業のIPOが悲惨なワケ
一方で、公募価格(新規に公開する株式を上場前に投資家が購入する際の価格)で株を手に入れることができた投資家は、初値で売ればかなり高い確率で儲けることができる。これは証券会社と発行会社の思惑で、公募価格は割安に設定されるからだ。
発行会社としては、初値が公募価格を割れるとかっこ悪い。証券会社は、新規公開株を確実にさばきたいし、たくさん手数料を払ってくれる顧客に割り当てて、儲けてもらいたいので、やはり少し割安に設定したい。よって、一般投資家も抽選で新規公開株が当たったなら、かなりの確率で儲けることができるだろう。
先進的なビジネスモデル、立派な経営陣の経歴などでメディアで注目されるようなIPOは、過剰に評価されがちだ。一般投資家は、創業者、ベンチャーキャピタル、証券会社が高値で売り抜ける機会をつくってあげるために、わざわざ上場日に買いに行くこともないだろう。派手なIPOは眺めるに限るのだ。
【今週の数字】
4月28日に上場するGunosyの時価総額
300億円
Gunosyの公募価格は1500円程度、時価総額は300億円を超える見込み。今年はLINEも上場すると噂されており、こちらの時価総額は1兆円を超えるかもしれない
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」管理人。恋愛工学メルマガも発行する。cakesでは恋愛小説も連載中
派手なIPOは眺めるに限る【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
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