仕事が多忙でも見逃さない! 録画したテレビを外で楽しむための家電ツール
春の新番組が続々とスタートするシーズンになった。話題のドラマや気になるバラエティ番組などは一応チェックしておきたいと思うものの、録画しても結局見る暇がないなんていう人は、けっこう多いのではないだろうか。そこで今回は、自宅で録り貯めたテレビ番組を外出先で視聴するツールを紹介しよう。
◎BDレコーダーがない人には「nasne」がオススメ!
2014年2月、BDレコーダーなどからの直接リモート視聴が正式に認められたため、今や最新のBDレコーダーを購入すれば、インターネット経由で放送中の番組や録画した番組を視聴することができる。しかし、まだ持っていないという人には、5万円以上もするBDレコーダーは、いささかハードルの高い買い物だ。
そこでおすすめしたいのが、ソニーコンピューターエンタテインメントのテレビ録画機「nasne」だ。PlayStaiton 3の周辺機器として誕生したテレビ録画ユニット「torne」から派生した製品なのだが、これがゲーム機から生まれたものとは思えないほど、優秀なのだ。
「nasne」はHDD(500GB)とテレビチューナーを内蔵したユニットなのだが、テレビやパソコンに接続するのではなく、家庭内のネットワークに接続することで、録画した番組の再生や放送中の番組を転送できる。このため、利用には家庭内でのネットワークが必要になるのと、内蔵されたチューナーが1基のみであるため、地上、BS、110度CSデジタルで見たい番組が重なった場合、すべてを観る(もしくは録画する)ことができないなど、不便な点が多い。
しかしそれでも、価格が2万円前後であること、設定がゲーム機並みに簡単なことは、まだBDレコーダーを持っていない人には、大きな魅力であろう。
◎古いBDレコーダーしかない人には「Slingbox M1」がオススメ!
リモート視聴機能のないBDレコーダーは持っているが、そのHDDに保存した録画番組を見たい、というわがままなニーズに応えてくれる製品がある。それがフロンティアファクトリーの『Slingbox M1』だ。これはBDレコーダーから出力される映像をインターネット経由で視聴することができるリモート視聴用のユニット。
スマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンからの視聴にも対応しており、単に録画した番組が見られるだけでなく、若干のタイムラグはあるものの、放送中の番組のライブ映像もリモート視聴できる。
『Slingbox M1』の最大のメリットは、リビングなどにあるBDレコーダーの録画番組がそのまま見られるということ。いちいちリモート用に別途録画予約する必要がないのだ。また、視聴画面には、利用しているレコーダーのリモコンがそのまま表示されるため、操作で悩むこともない。設定も簡単で、リモート視聴には欠かせないネットワークやルーターの設定も不要。また、パソコンからの視聴ならアプリは無料でダウンロードできる。
あえてデメリットを言えば、BDレコーダーから出力される画面をそのまま見るため、自宅で誰かがBDレコーダーを使っている場合は、同じものを見るしかなくなるという点だろう。
◎そもそも時間がないという人には「ガラポンTV四号機」がオススメ!
家でゆっくりテレビを観るどころか、そもそも録画予約する余裕すらない、という方には地上波放送8chを丸ごと録画して貯めておけるガラポンの「ガラポンTV四号機」をおすすめしたい。ワンセグチューナーを8機搭載しており、ワンセグ画質と割り切りさえすれば、すべての番組を丸ごと録画できるという豪快な製品だ。500GBのHDDを搭載するモデルと、HDDを内蔵せず、外付けHDDにデータを記録するモデルが用意されており、4TBの外付けHDDを用意すれば、約3ヶ月分のテレビ番組が丸ごと録画できるのだ。さらにジャンルごとに消去するタイミングが設定できるので、ドラマは半年保存するが、ニュースは1週間で消す、といった設定もできる。
録画した番組は、パソコンの場合はブラウザで、スマートフォンやタブレットの場合は、専用アプリで視聴できる。また、録画した膨大な番組も、番組タイトルや出演者の名前を検索窓に入力することで視聴できるのだ。ただし、本体と外付けHDDが必要なため、導入コストは高い。また、ネットワークの知識などがないとトラブルに陥った際の対応が難しく、必ずしも初心者向きではないのかもしれない。
ここで紹介した3製品はすべてスマートフォンやタブレットでの視聴に対応。さらに『Slingbox M1』と『ガラポンTV四号機』は、PCでも視聴ができる。会社で夜遅くまで残業するときはもちろん、出張で地方都市や海外に渡航したときなど、この「リモート視聴」をぜひ試してみていただきたい。
【コヤマタカヒロ】
PCAV機器、デジタルガジェットから白物家電まで電気が通る製品ならなんでも対応する雑食系のデジタルライター。モノ雑誌、Webサイトなどをさまざまな媒体で執筆活動を展開。AllAboutのPCガイドなども務めるほか、家電Watchなどで連載も多数。
<文・図版/コヤマタカヒロ Twitter:@takh0120>
Twitter ID:takh0120.。キッチン家電を愛するデジタル家電ライター。PCやデジタルガジェットから、白物家電まで幅広いジャンルに精通し、各種ウェブ媒体や雑誌で執筆活動を行う。三女の父でもあり子育て目線での製品紹介が人気。米・食味鑑定士の資格も所有。2019年より家電のテストと撮影のための空間「コヤマキッチン」を設立。
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