クーデターを経て経済も回復基調のタイの不動産投資に注目が集まる理由

バンコクの街中

179万バーツ(約450万円)~と書かれた看板。バンコクの街中にはこのようにコンドミニアムなどの看板が乱立している

 クーデターのおかげで2014年の経済成長率は下方修正されたものの、中央銀行の見通しによれば経済回復は年内には進むとされ、タイ経済は依然として好調といえる。  むしろ、政治の不確実性が取り除これたことで、2015年には5.5%の成長が見込まれるという。  津波や洪水などの自然災害もときどき受けるが、復興も早いのがタイの特徴で、ここ数年の成長は目覚ましい。特に、バンコクに至っては上海や香港、シンガポール並に発展しているのだ。  そんなバンコクで、目につくのがコンドミニアムやショッピングモールの建設。 「バンコクの不動産は価格が下がりにくいのが特長です。もちろん景気に左右はされますが、タイ人の復活力が高く不景気も長く続かないことと、いまだにタイという国が人気ですから、外国企業もまだまだ進出してきます」(バンコクで不動産管理、賃貸仲介、土地・コンドミニアムの販売を手がける峯岸コーポレーション代表取締役・峯岸亨氏)  購入価格の相場は日本に比べればかなり安い上に、家賃相場が結構高いという。 「タイの不動産は日本と比べてずっと安い。にも関わらず、日本よりも高く貸せます。バンコクの中心地であれば10万バーツの家賃などたくさんありますよ。日本円で約30万円近く。こんな家賃でもすぐに借り手がみつかるんです」
古いコンドミニアム

アソーク駅というバンコク都心の電車駅の前にある古いコンドミニアム。ここも値が下がらない高額物件。普段は渋滞がひどいがそれでも人気

 そのため、タイの不動産は今、多くの外国人に投資先として注目を浴びており、同じく好景気に沸くシンガポール人などがバンコクの不動産に投資し始めており、一部の日本人富裕層もすでにタイへの投資に動いている人もいるという。  気になるのは不動産の利回りだが「多くの方は年6~7%を目標にしている」といい、この目標値はよほどのことがない限り達成されているという。  かつては建築途中の中断や放棄などもあったようだが、現在は大手デベロッパーが手がけているので、そうしたこともまずなくなったという。借り手・買い手がみつからないということも、場所さえ間違っていなければほとんどない。つまり、かなりのローリスクなのだという。  さらに、バンコクの場合、峯岸氏の会社のように日本人スタッフ常駐の不動産会社も少なくなく、言葉の壁が低いのは好都合だ。 「バンコクの不動産投資の魅力のひとつとお客様が仰っていたのは、日本人が日本人に貸せる、ということです。日本人のオーナーである安心、日本人の店子である安心。お互いに日本語で完結できるのが魅力です」  最近は、投資先としてミャンマーなども注目され始めているが、まだインフラなど整備は万全ではない。となると、まだまだタイ人気が続くことは間違いない。タイの不動産投資、狙い目として要チェックかもしれない! <取材・文/高田胤臣 取材協力/Minegishi Corporation Co.,Ltd>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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