マイルドヤンキーのファッション文化と株価
2014.10.11
日本の人口の半数以上を占めると言われているマイルドヤンキー。彼らの消費動向を探ると、今後成長していく企業が見えてくるという。オススメのマイルドヤンキー株をアナリストが解説する。
消費に積極的ではあるが、進んで高価なものを買うことはない、マイルドヤンキー。特に衣服に関しては、ファストファッションで安くオシャレを楽しむ傾向にあるという。アナリストの小川佳紀氏にお話を伺った。
「マイルドヤンキーが好むファストファッションで代表的なのは、やはりユニクロですね。同じファーストリテイリングが経営するGUの業績も好調です。ユニクロではエアリズムとかステテコを買って、もうちょっとおしゃれな服が欲しいという人はGUに流れていくようです」
一方、ファッションセンターしまむらの業績は、やや伸び悩み気味だという。
「“しまラー”といって、全身をしまむらの服でコーディネートするのが流行っていた時期もありましたが、ここ数年でフォーエバー21や、ザラなど海外からもファストファッション企業が参入してきてファストファッション業界の競争が厳しくなってるんです。ただ、若年層には依然として高い人気があることと、自社ブランド『CLOSSHI』などを展開し、力を入れており、伸びしろは十分ある。今後の巻き返しは、このブランドが育つかどうかがポイントになってくると思います」
自社ブランドの展開に成功し、絶好調なのが、ドン・キホーテだ。安価をウリにした自社ブランド『情熱価格』では、服や靴、カバンなど充実の品揃え。
「ドン・キホーテの強みは、ほかに似たような店がないところですね。洋服もあれば、雑貨もあるし家電も揃う。ここに来ればなんでも買えるというのが、マイルドヤンキーの需要にぴったり合っているんだと思います」
また、マイルドヤンキーの生活スタイルを考えたときに、注目すべきは子供服を扱う企業だという。
「結婚して早く家庭を持つ人もいると考えると、子供服を扱っている会社の株も狙い目。低価格で人気な西松屋チェーンや、ピジョンに注目ですね」
子供服ブランドに、とっておきの銘柄が隠れているかも?
<堅調な業績で安心感の高い銘柄>
●ドンキホーテHLDG
消費増税の影響が懸念されていたが、反動はそれほど大きくなかったため、今期は増収増益を計画している。業績の面での安心感は高め
<海外の売り上げ好調がポイント>
●ファーストリテイリング
4月の決算発表で業績を下方修正したため一旦、株価は下がったが、消費増税の影響も少なく回復傾向。国内よりも海外の売り上げが好調なため、カバーできるのが強み
<一旦下がった株価が再び上昇>
●株式会社しまむら
業績が少し落ちたといっても、大幅な減益はない様子。悪い材料はすべて出きった状態なので、下がった分、今また株価は戻りつつある
【小川佳紀氏】
フィスコ株式リサーチ部アナリスト。中堅証券会社を経て現職。中小型株や新興市場株の分析から為替相場の動向まで幅広く担当する。世界を見据えた銘柄選定に定評がある。
― マイルドヤンキーが株価を動かす【4】 ―
自社ブランドの成長に株価アップのヒントが
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