文系サラリーマンがプログラムを学ぶには「独学と学校」どっちがいい?
フェイスブックの元役員であるチャマス・パリハピティーヤ氏が「プログラミングを学ぶのなら、生涯仕事に困らないことを私が保証しよう」と言ったり、「「日本史よりプログラミングを学べ」と楽天・三木谷浩史氏が発言するなど、今や文系サラリーマンにとっても「学ばなければならない要素」になりつつあるプログラミング。
しかし、デジタルネイティブ世代ならまだしも、30過ぎまで文系一筋だったサラリーマンにとって、何をしていいかわからない人も少なくはない。
果たして、文系サラリーマンが「プログラミングを学ぼう」と思ったら何をすればいいのだろうか? 現場のプログラマーとして活躍し、WindowsアワードMVPを受賞したこともあるA氏に聞いてみた。
⇒【前編】はこちら https://hbol.jp/31457
――独学と学校、どっちがいいんでしょう?
うーん、それは率直にいって”その人の性格による”に尽きますね。教わった方が頭に入る人はスクールに通ったほうが良いでしょうし、独学でどんどん進められる人は独学でも十分です。ただ、ぶっちゃけ独学でやれる人は、誰に聞くこともなく、勝手に始めてるケースが多いです(苦笑)。
オススメの本とかも、そこから始めると興味なくなるんで、『Android 開発 サンプル』とかでググれば山ほど良いサイトは出てきますので、そこで勉強するといいですね。そしてもしその良いサイトの著者さんが本を出されていたら、それは買いましょう!!(笑)
あとは、個人的には『(書いてある通りにやっただけにせよ)動いた!』という成功体験がまずは一番大切な気がします。だから動いた結果を見て自分がいちばんうれしいと思えるものを始めるといいと思います。そういう意味で、今だったらスマホアプリ開発が一番キャッチーかなと思います。
――どれくらいの期間勉強すればいいんですかね?
『わかる』というレベルについてですが、これは『10年以上仕事にしてても、まだまだ分からないことだらけ』ですからその辺難しいのですが、勉強が苦でないなら2~3か月である程度自分の作りたいものが作れるようになる、あるいは『奥の深さを知る』という意味で『分かるようになる』と思います。
――文系サラリーマンが「プログラミングで副業」ってのはやっぱり甘いですか?
この辺ある意味矛盾しているのですが、開発の下請け的なことをやろうと思った場合は『実績と実力があれば副業にはなるし、なり易い分野』だとは思います。実際、ノートパソコンさえあれば家でもどこでもできますし。ただし、そうなるためにはそれ相応の経験がないと難しいですし、よほど慣れないうちは、打ち合わせ等で物理的な時間がとられますので、その辺に難しさがあると思います。この辺の事情は、多分執筆業やイラスト描いたりする仕事と何ら変わらないと思います。
あと、スマホアプリを開発して収入に!と言ったような話も良く出ますが、これもよほどアイディアが良くて運が良ければ収入になりますが、現実的には滅多に上手く行かないですし、広告費などをかけようと思ったらとんでもない金額になりますので(競争相手が多いからです)『もしかしたら収入になるかもしれない趣味』としてやるのが個人的には一番オススメです。
――実際、現場でプログラミングする立場でプログラミングを理解していない文系サラリーマンって面倒?
個人的にはその人が文系か理系かは全然意識していなくて、その人が担当として適切な判断能力を持っていてくれればそれでよいわけですが、むしろ「俺はこのくらいプログラミングが分かる!」って顔されて、そのビジネスの本質を見失われる方が困ります(苦笑)。
結局のところ、プログラミングがかかわるビジネスだって、話を辿っていけば大体最終的には「コンピューターとか良くわかんない人」に行き着くわけです。
でもそういう人たちが自分たちで使うとか、そういう人たちが作って欲しいと思ったものを、そういう技能を持った我々が作って差し上げるお仕事なわけですから、むしろお客さん側の事情とか希望を100%理解してくれることが大切で、むしろ生半可な知識でこっちの仕事に口出されたり、お客さんの希望がどっか行ったりする方が厄介なケースの方が多いです(笑)。
『全然プログラミングとか書けなくて大学もド文系だけれども、技術者の説明は100%理解できて問題点も的確に理解できるから、プロジェクトマネージャーとして優秀な人』も実際に私が知っている人にいるんで、変にプログラミングが出来ないことをコンプレックスに感じて勉強を始める必要はないと思いますね。そもそも日本史とプログラミングは当然のことながら目的がまったく違うんで、気にする必要はない(笑)。
それよりもむしろ、『目の前にあるスマホなりコンピュータを自分の思い通りに動かせる』ってことに面白さを感じて、先ほど言ったように趣味みたいな感じで始めると、楽しく習得できると思います。
<取材・文/HBO取材班>
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