雪国まいたけのTOBにインサイダー疑惑。創業者を追い出すために画策された!?【後編】

大塚家具創業者とその娘によるプロキシーファイトが注目を浴びる中、創業者vs現経営陣&米投資ファンドでバトルを繰り広げている企業もある。それが、雪国まいたけ。銀行をも巻き込み、現経営陣の優勢が伝わるが一方で、インサイダー取引が疑われるやり取りも……。闇株新聞氏が不可解なTOBの実態をあぶり出す。

創業者を追い出すために画策された雪国まいたけのTOBにインサイダー疑惑浮上【後編】

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏) ⇒【前編】こちら  要するに少ない自己資金で、雪国まいたけの有形・無形資産をすべて「どうぞご自由に」としてしまうのが今回のTOBである。これを雪国まいたけの現経営陣は第四銀行ら6行と組んでベインキャピタルに提供してしまったのである。  ただ創業者で大株主の大平氏の影響力を排除するためだけであり、これをコンプライアンスのためというのは問題をすり替えてしまっている。もちろん、インサイダー取引を黙認する理由にもなりえない。  最近の証券市場では何かとコンプライアンスが重視されるため、こんなことがまかり通ってしまう。軽視してよいとは言わないが、行きすぎたコンプライアンス重視は企業の活力を奪い、ひいては日本経済を低迷させてしまうだろう。 【今週の数字】 米投資ファンドによる雪国まいたけ株取得額 88億~95億円 ベインキャピタル買い付け予定株数は全体の約92%。全株式の買い取りも希望しており、最大で取得額は95億円に。だが、資金の3分2は借り入れで賄うと見られる 【選者】「闇株新聞」氏 闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」や’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事を書いて話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。現在、単行本『オリンパスの光と影』(仮題)を執筆中
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