吉田 恒氏
1月に株安で一時115円までドル安・円高になったが、最近は120円程度までドル高・円安に戻ってきた。株高、円安はまだ続くのだろうか。今回はそれを株の観点から考えてみる。
米株は1月はひどい成績だったが、2月は好調な動きで回復した。S&P500種指数は、1月は過去一年で最悪のパフォーマンスだったが、2月は5.5%に上昇した。ではなぜ米株は1月の「最悪」から2月は「回復」に転じたのか。そしてそれは、この3月以降もまだ続くのか。
ECBが本格的量的緩和、QEを決定したのは1月22日だった。その後、DAX指数は高値を大きく更新し、最近までに1割以上の大幅高となった。これが世界的な株高を主導した可能性はある。そうであるなら、2月米株「回復」の主因は「ECB株高」ということになる。そして米株「回復」が続くかも、「ECB株高」が続くか次第ということになる。
さて、近年、世界的な株高を主導するきっかけになった例として日銀の大胆な金融緩和、いわゆる「黒田緩和」があった。2013年4月の「黒田緩和1」後に日経平均は当面のピークをつけるまで26%も上昇した。また、2014年10月の「黒田緩和2」後も14%の上昇となった。この日本株大幅高は世界株高も主導した形となった。
ただ「黒田緩和1」を受けた株高は35営業日で一巡した。そして「黒田緩和2」株高は27営業日で一巡した<
資料参照>。そして、この「クロダ株高」一巡を前後し、世界的に株高一巡となった。世界的な「クロダ株高」の有効期間は30営業日程度だった。
※<資料>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=27814
<資料>
さて、今回のECB緩和後のDAX指数の上昇率は10%程度だ。2度の「黒田緩和」からすると株価の上昇率は下回っている。ただ、ECB緩和から3月4日で30営業日になった。黒田緩和を参考に、世界株高を主導する中銀の大胆な金融緩和の「有効期間」が30営業日前後なら、今回の「ECB株高」も終わりに近いといった見方になるが、果たしてどうか?(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に
『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター
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https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/