「ドル円が一年で最も動く3月」、今年はどうなる!?

吉田 恒氏

吉田 恒氏

 3月が始まりました。今回は、3月の為替を予想するといったテーマで考えてみたいと思います。  2月のドル/円値幅は3.5円にとどまり、昨年8月以来の小幅になりました。昨年9月から、ドル/円は大相場が続いてきましたが、それは終わったのでしょうか。また、昨年は2月から夏まで延々と記録的な小動きが続きましたが、今年もそれが再現する可能性はあるのでしょうか。  ただ3月はドル/円の値幅が拡大しやすい月です。2000年以降のドル/円の値幅平均を調べると、3月は1年12か月のなかで最大、つまり「1年で最もドル/円がよく動く月」です<資料参照>。 ※<資料>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=27510
ドル円

<資料>

 一方で、2月の値幅平均は第10位。このため、2月の小動きから一転して3月に大きく動くといった具合に、相場の様相が急変することがこれまでも珍しくなかったので、そのへんは頭に入れておく必要があるかもしれません。それでは、3月にドル/円が再び大きく動く出す可能性があるとして、問題の方向は円高かそれとも円安か。 2012年夏の欧州債務危機終了の頃を境に、世界の金融市場では2007年から続いてきた「危機の時代」が終わり、リスクオフの株安、円高への動きが限定的といった状況が続いてきました。この構図が続く限り、円高の動きは限定的にとどまることになりそうです。  ただし、足元では日米など主要な株価インデックスが軒並みこの間の高値を更新するなど、すでにかなりリスクオン(株高、円安)が進んできました。そのなかで、日米の相対株価(TS倍率)は0.7倍を大きく上回り、2013年5-6月以来の水準まで拡大してきました。  日米相対株価、TS倍率は、アベノミクス相場が本格化した2013年以降、おおむね0.6-0.7倍のレンジ中心に推移し、0.7倍以上は日本株が主導した株高の転換点となってきました。2013年5月下旬、日経平均が1日で1000円以上の暴落となり、世界的に株価急落が広がった局面がその代表例でした。  このTS倍率を参考にすると、日本主導のリスクオン、株高、円安もクライマックスを迎える可能性が高そうです。(了) ◆3月の会場及びWEBセミナーのご案内 3月3日=「100万ドルナイト為替セミナー」 3月11日=為替の学校「FXアカデミア」予測編第1部 3月20日=WEBセミナー「マーケット先読みLive!」 http://www.m2j.co.jp/seminar/ 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など ●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi ●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
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