スカイマークの民事再生はかつてない“航空機バブル”崩壊のきっかけに!?

国内LCCのパイオニアが民事再生を申請した。そのきっかけとなったのはエアバス社の超大型旅客機A380。6機注文していながら、キャンセルしたことで資金繰りが悪化したのだ……が、中東諸国の航空会社は桁違いの航空機を発注していた!バブル崩壊を予感させる航空機市場を、闇株新聞氏が追った。

スカイマークの民事再生はかつてない“航空機バブル”崩壊のきっかけに!?

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)
スカイマーク

1月28日に民事再生を申請したスカイマーク。西久保愼一前社長は責任を取って直前に辞任したために、会見には顔を出さず……

 スカイマークが1月28日に民事再生法申請適用を申請した。  JAL、ANAに次ぐ第三極の航空会社を目指したもののLCCの出現で競争力を失い、そこへ昨年来の円安による燃料費・機体リース料の高騰を受けて経営不振となり、発注していたエアバス社の超大型旅客機A380、6機のキャンセルを余儀なくされた。  そのエアバスから最大7億ドルもの違約金を請求され信用失墜で急激に資金繰りが悪化し、目論んだ資金調達を含む生き残り策がすべて頓挫して万策尽きたようである。  そもそも世界の航空機市場は国際線も含めて需要の中心は中型機で、1機が3億ドルもするA380のような超大型機の需要は非常に限定的である。ライバルのボーイング社はこのサイズの航空機を製造していない。  ところがこのA380には約300機の受注残がある。そのうち何と140機をドバイのエミレーツ航空が発注している。これを含めてエミレーツ航空の発注残高は10兆円以上で、さらにカタール航空、エティハド航空(アブダビ)といった産油国の国営航空会社が軒並み大量に航空機を発注しているのだ。  これらの産油国は国土が狭く人口も少ないため、自国民や自国への観光客のために大量の航空機を発注しているわけではなく、欧州・アジア・アフリカの中間にある「地の利」を生かして世界中でシェアを奪い取ろうとしている。既存の航空会社やLCCに対抗して、徹底的な高級感を売り物にしているが、いくらなんでも「やりすぎ」である。 ⇒【後編】に続く https://hbol.jp/25879 【選者】「闇株新聞」氏 闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」や’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事を書いて話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。現在、単行本『オリンパスの光と影』(仮題)を執筆中
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