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吉田 恒氏
先週金曜日の米雇用統計発表を受け、米早期利上げ観測が再燃している。では、日米金利差拡大ならドル高・円安になるのか。
昨年10月31日、日銀追加緩和前後からのドル/円と日米2年債利回り差、日経平均のグラフを重ねてみると、後者との相関性が高いことがよくわかる<
資料1、
2参照>。その関係が大きく変わらないなら、ドル/円は日経平均など株次第だろう。
※<資料1>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=25333
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<資料1>
※<資料2>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=25334
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<資料2>
昨年12月初めに米11月雇用統計が発表されると、注目のNFP(非農業雇用者数)は30万人超という大幅増となった。これを受け、早期利上げ観測が広がったが、このときにはドルは早々に反落に転じた。これは米株が反落に転じたことと連動したが、ではなぜこのとき、米株は早期利上げ期待が広がるなかで下落に向かったのか。
この昨年12月初め当時、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は12ポイント程度と経験的にはリスクオン(株高)限界圏にあった。その意味では、株安に転じたのは経験通りの反応だったわけだ。
では今回はどうか。「恐怖指数」は12日現在で16ポイント程度。これは経験的にはほとんどニュートラルだ。その意味では、昨年12月初めよりは雇用統計を受けてリスクオフ(株安)に向かうか、リスクオン(株高)に向かうかは読みずらいとは言える。
ただ細かく見ると、今年に入り、「恐怖指数」は16ポイント以下に大きく下がらなくなってきた。つまりリスクオン(株高)への反応が限定的になってきた。その流れに変化があるかを試すといった点も注目される。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に
『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター
http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●FXの学校「アカデミア」
https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/