メシマズ者必見。料理を出した相手が無理して食べている時の表情は簡単に見分けられる!?
本当に美味しいと感じている時の表情は目元に注目
笑顔が作られる直前の微表情を観る
A‘は不味い味です。口角が引き下げられ、下唇は引き上げられるネガティブな表情をしています。
B’は眉が引き上げられ、目が見開き、唇はプレスされつつややすぼめられています。
C‘は唇がプレスされています。唇がプレスされる動きは、私たちが何らかの味を味わっているときの表情です。
このことからCは、どんな味かすぐさま判別できない状態、すなわち水ではないか、と考えられます。したがいまして、美味しい飲み物Xを飲んでいるときの表情はBです。
なお本実験は、試行回数が十分に多いわけではないため、一般化するにはさらなる実験を繰り返す必要があります。
しかし、この実験結果が一貫して生じることがわかれば、実際の懇親会や接待の席で、笑顔の相対的な違いや笑顔になる直前の表情を観ることで、相手が本当に美味しいと思っているかどうか推測することが出来そうです。
オンライン懇親会や接待があるこの機会にお相手を観察してみてはいかがでしょうか。
※本記事中の画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。
<文/清水建二>
<参考文献>
清水建二の微表情学第33回「美味しいか美味しくないかは、食べた相手の眉間にシワが寄った後の微表情でわかる」
山本隆『美味の構造―なぜ「おいしい」のか』講談社選書メチェ 2001.
Danner L, Sidorkina L, Joechl M, Duerrshmid K. (2014). Make a face! Implicit and explicit measurement of facial expressions elicited by orange juices using face reading technology. Food Qual Preference 32:167–72.
Zeinstra GG, Koelen MA, Colindres D et al. (2009). Facial expressions in school-aged children are a good indicator of ‘dislikes’, but not of ‘likes’. Food Qual Pref 20:620–624.
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16・19」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。
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