さらば「伝わらないダメ指示」。相手の理解度・納得度を高める7つの「説明話法」

 年度が変わり、新たに策定した業務方針を説明する機会に接しているに違いない。筆者がビジネス実践スキルの演習プログラムを実施していて、この時期多い質問に、「説明した内容を、聞き手が理解しているように思えない」「納得したかどうかがわからない」というものがある。

理解度、納得度を高める「説明話法」

会議のイメージ画像

photo via Pexels

 聞き手の理解度納得度が高まる説明ができるかどうかは、聞き手に合致した「説明話法」を発揮できるかどうかというスキルの問題だ。  特に新しい方針を、新しいメンバーに説明しなければならないこの時期に、説明スキルの高低が露見する。  私は説明話法を、次の7つに区分している。過去の演習参加者が発揮して聞き手の理解、納得に効果のあった話法をモデル化したものだ。  ひとつ目は、「経過話法」だ。経過をたどって、時系列の順に丁寧に説明する。話があっちこっち飛んでしまいがちな人は、まずは、この経過話法を試してみるとよい。  ふたつ目は、「積上話法」だ。経過話法が実施している経過、時系列の順に説明することに対して、積上話法は実施している内容に着目して説明する方法だ。  「先月は〇〇を実施した。これをふまえて今月は○○を実施する」「今月は○○を実施する。その延長線上で、来月は○○を実施する」というように、内容に着目する。  これまでの実施内容を継続したり、修正したりする方針の場合には、積上話法で説明しやすい。ところが、経過話法や積上話法がからきし通じない聞き手もいる。

経過をたどって話すか、結論から逆算するか

 良かれと思って、経過話法や積上話法で説明したら、「ポイントは何だろうか」と怪訝な表情をされたり、質問されたりしたこともあるだろう。上司に説明していてイライラされ、「だからポイントは何なのだ」と言われたことがある人もいるに違いない。  経過話法や積上話法で説明していて聞き手の理解が乏しいと感じたら、「分解話法」で説明することがお勧めだ。説明したい内容を分解して、「説明したいことはAと、Bと、Cです」というように、ポイントを絞って説明する方法だ。  分解話法で説明しても、まだ理解に深まらないと感じることもあるだろう。ポイントを絞って話しても、なおイライラして「結論は何なんだ」と言ってくる上司もいる。そういう聞き手に対しては、「逆算話法」を試してみるとよい。  「結論は○○です。そのために○○を実施する必要があります。その準備として、まずは○○を実施しましょう」というように、結論から逆戻りして説明する方法だ。限られた時間で説明しなければならない場合には、この逆算話法を使うと理解を高める効果が高い。
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