IHME予測からわかる「日本の今後」。ただし、優れた予測でも為政者の愚行は想定できない

官製プロパガンダで破壊された日本の検査状況

日本、韓国、台湾における千人あたり検査数の推移(‰,7日移動平均,線形)2020/09/01〜2021/3/26

日本、韓国、台湾における千人あたり検査数の推移(‰,7日移動平均,線形)2020/09/01〜2021/3/26/OWID

日本、韓国、台湾における新規感染者一名発見あたりの検査人数(no Units,7日移動平均,線形)2020/09/01〜2021/03/26

日本、韓国、台湾における新規感染者一名発見あたりの検査人数(no Units,7日移動平均,線形)2020/09/01〜2021/03/26/一人の感染者を見つけるために何人にPCR検査をしたかという指標で、検査陽性率の逆数でもある。日本以外では、極めて重要な指標と見做されている/OWID

 検査数にはPCR検査抗原検査が含まれますが、以前の記事で繰り返し指摘してきた本邦の致命的大失敗が示すように本邦の欠陥品とも言える抗原検査は、膨大なすり抜け(偽陰性)が生じます*。また、COVID-19検査のGolden StandardであるPCR検査に比して抗原検査の利点はラボが要らないという点です。一方で、抗原検査による陽性結果の扱いは、PCR検査による再検査を要し、検査陰性者も本邦のように感度が極端に低いガラクタも存在しすり抜けが生じるために抗原検査の採用には本邦を除く世界は消極的になってきています**。従って検査の大部分はPCR検査です。 〈*低精度の抗原検査、入国者の体調確認は自動発信のLINEだけ? 水際防疫のザルさが恐ろしい 2021/02/18 選挙ウォッチャーちだい HBOL〉 〈**但し、ラボが要らないという抗原検査の利点は捨てがたく、僻地などの検査インフラの乏しい環境では抗原検査が使われることもある。アフリカ諸国では、ドローンの活用によってPCR検査が積極的に採用されている。「PCR検査の精度が低い」という主張は、地球上で本邦のみにおいて蔓延している「国策エセ科学・エセ医療デマゴギー」、「官製エセ科学」「官製エセ医療」である〉  人口千人あたりの検査数では、韓国、日本、台湾の順となっています。これはいつも指摘するように台湾では既に国内感染者が殆どいなくなっているので大量検査の必要がなくなっているからです。  韓国は、感染者増大に即応して検査を増加し、更に12/14以降はソウル首都圏域で大規模一般PCR検査を導入しています。3月に入ると第四波エピデミックに対応して、2020/03/06を起点として検査数を大きく増やし始めています。これらによって感染者が増えれば制圧するという関係が出来上がっています。  本邦は、世界唯一のジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーによって検査を抑制し、統計すら壊れてしまうほどの惨状ですが、検査数自体は韓国より多く必要とし、「検査抑制ではない、検査効率化だ。」というジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴーグ=医療右翼の主張に反して、極めて効率が悪く、資源を浪費し、そのうえ感染状況も東部アジア・大洋州ではワースト3〜4となっています。第四波エピデミックにあっても本邦は検査を増やしていません。全くの論外のエセ科学・エセ医療殺人国策と言えます。  台湾がなぜ上手くいっているかは、全期間の感染者1人を発見するに用いる検査人数(検査数)ではっきりします。  台湾では、昨年夏までは感染者1人を発見するのに1000〜4000人のPCR検査を実施しています。これによって未発見の市中感染者、検疫での感染者を徹底的に探し出して、そのうえで接触追跡、検査、隔離、治療と行っています。  新規感染者1人あたりの検査数は、現時点で台湾239件、韓国87件、本邦33件です。「PCR検査は精度が低い。検査を増やせば患者が増える。我々には効率のよりやり方がある。」などといった、過去14ヶ月間本邦において蔓延した官製プロパガンダが、全く事実に反するジャパンオリジナル・国策エセ科学・エセ医療デマゴギーであることは明白です。  どのような巧言令色や詭弁も厳然たる事実=数字の前には直ちに棄却されます。  本邦は、完全に失敗した国であり、その失敗の結果が米欧並みのエピデミックにならない理由は、単に国策公害であるスギ花粉症への対策として長年市民に定着していた不織布マスク着用の習慣と謎々効果*だけです。 〈*モンゴル、中国、ミャンマー以東の東部アジア、大洋州ではCOVID-19パンデミックによる百万人あたりの日毎新規感染者数が米欧と南米に比して1/10〜1/1000である。またアフガニスタン以東でも百万人あたりの日毎新規感染者数が米欧と南米に比して1/10程度である。  筆者は、2020/03以降この事実を「謎々効果」(謎々ボーナスタイム)と名付けている。全く同じ現象を後に”Factor X”と呼称している人たちもいる。  致命率(CFR)は、謎々効果があっても米欧他と大きな差はない。  モンゴルは、第三波エピデミック以降状態がたいへんに悪く、第四波エピデミックで謎々効果が消滅する可能性がある。  謎々効果は、アフリカ大陸でもほぼ全域で見られている〉  次に移動傾向を見てみましょう。

拙速過ぎた「緊急事態宣言解除」と遅過ぎるワクチン接種の進捗

日本の移動傾向2020/01/13〜2021/03/27

日本の移動傾向2020/01/13〜2021/03/27/Apple

 本邦における移動傾向は、緊急事態宣言解除が報じられ始めた1/31頃から一貫して増加し続けています。現時点では、基準日である2020/01/13以降、最高水準の値を示しています。  移動傾向の増加は、エピデミックの増進につながりますので、第四波エピデミックの増進期に移動傾向が過去14ヶ月で最高水準かつ更に増加傾向というのはたいへんに不味いです。これにBar、Karaoke、屋内外食というスーパー・スプレッダ三本鎗が加わると感染大爆発しかねません。Go To Eatは最悪の愚策なのです。  次にワクチン接種状況を見ます。
イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、合衆国、韓国、日本、台湾と北米、欧州、南米、アジア、大洋州、アフリカにおける計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/03/27

イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、合衆国、韓国、日本、台湾と北米、欧州、南米、アジア、大洋州、アフリカにおける計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/03/27/一回接種を一人と集計している。従って二回接種の場合、一巡して最高で200%となる/OWID

インドネシア、マレーシア、韓国、ミャンマー、日本、フィリピン、台湾における累計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/03/27

インドネシア、マレーシア、韓国、ミャンマー、日本、フィリピン、台湾における累計ワクチン接種率の推移(%,累計,線形)2020/12/15〜2021/03/27/例示したのは日韓台と東部アジア・大洋州諸国の中で状態の悪い国、悪かった国である。ミャンマーは、2/1クーデター以降、集計と報告が著しく遅れているが接種と検査は大規模に継続しているようである。また、本統計は一回接種を一人と集計している。従って二回接種の場合、一巡して最高で200%となる/OWID

 ワクチン接種は、イスラエル、UAE、英国、合衆国などの先行国と比してアジア全体、オセアニア、アフリカで低調です。但し、アフガニスタン以東のアジア諸国では、謎々効果の影響があって米欧に比してパンデミックの規模は大幅に小さくなっています。従って緊急性がたいへんに高い米欧に比して接種速度が遅いことはやむを得ないと筆者は考えています。  しかし本邦のワクチン接種の遅さは極めて異常で、東部アジアで状態の良くない国であるインドネシア、マレーシアや韓国と比較しても劣勢が目立ちます。本邦では、アジアでも最も遅れているフィリピンと追いつ追われつと言うのが実態です。  台湾でもアストラゼネカ社のCOVID-19様ワクチンの接種が始まりました。  韓国では、アストラゼネカのワクチン接種が欧州で一時停止したこともあり、先々週以降の接種速度が低調でしたが、EUでの接種再開決定により持ち直しつつあります。  ここまで2020/03/29時点で得られる最新統計情報のご紹介をしました。
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優れた予測でも人間(政権)の愚行は予想し得ない
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『日本を壊した安倍政権』

2020年8月、突如幕を下ろした安倍政権。
安倍政権下で日本社会が被った影響とは?
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