改めて不起訴処分からの経緯を辿ってみよう。
選挙区内で常態化していた公選法違反容疑で訴追は必至と見られていた菅原氏は昨年6月、東京地検の不可解な不起訴処分(起訴猶予)によって公訴提起を免れた。その後、師事する菅義偉氏の人気(当時)に便乗、禊は済んだとばかりに自民党総裁選が行われた9月以降、選挙区内で駅頭を再開していた。
〈参照:
HBOL|公選法違反常態化の菅原一秀を東京地検が不起訴処分、起訴猶予は妥当ではない〉
〈参照:
HBOL|菅氏の人気に便乗、1年ぶりに有権者の前に姿を見せアピールに勤しむ菅原一秀前経産相〉
さらに菅原氏が筆者の直撃取材に逆切れし開き直りを見せていたことは、本サイトで報じた通りだ。
〈参照:
HBOL|菅原一秀衆院議員、駅頭演説への直撃取材に、説明責任果たさず「脅迫」「嫌がらせ」と逆ギレ〉
そんな菅原氏にNOを突き付けたのが今回の東京第四検察審査会だ。刑事告発者からの申し立ては検察が捜査資料提出を拒んだことによって却下せざるを得なかったものの、同審査会は異例の職権審査により起訴相当と議決。12日、そのことを各メディアが一斉に報じると、菅原氏は翌日から駅頭を止め、有権者の前から姿を消した。
菅原氏の起訴相当報道に対するリアクションは、12日に「本日、検察審査会の決議が発表されました。真摯に受け止め、当局から要請がありましたら誠実に対応してまいります」とのコメントを出したのみ。オフィシャルブログにも「誠心誠意」と題して同じ内容が掲載。翌13日朝の
YOUTUBE配信では「
真摯に受け止め、誠心誠意お応えしてまいります。」と発信していた。
ところが、12日に、菅原の練馬事務所と国会事務所に電話したがどちらも応答はなかった。
起訴相当報道の翌13日から17日まで選挙区内の駅に代議士の姿はなく、後援会連絡所を兼ねた菅原氏の自宅前に停められた街宣車が使われた形跡もなかった。
そのまま雲隠れを決め込むと思われた菅原氏だが、18日から駅頭活動を再開した。ある有権者はこう指摘する。
「衆院選が近いと見て、いつまでも雲隠れしているわけにはいかなかったのだろう」
菅原氏が駅頭を再開したのであれば、どのように「真摯に受け止め、誠心誠意お応え」するのか、確かめる必要があった。「当局の要請」に「誠実に対応」とは「秘書に嵌められた」「(秘書は)文春からカネをもらってヤラセで撮った」と秘書に責任を擦り付けることなのか、直当て取材の機会を伺った。