その日に実施しなくてもよい業務を除け、残った業務のなかで、ほかの人に依頼できる業務があればそれを選ぶ。さらにその残りの業務が、その日に自分が手足を動かして実施しなければならない業務だ。この業務を
アクションプラニング手法により優先順位づけをする。
優先順位づけは、残った業務について、まずは
重要度の大・中・小を一気に記入する。それが終わったら、
緊急度の大・中・小を一気に記入するというように、
重要度と緊急度を別々に記入することで、それらの
混在を避けることができ、
曖昧さを排除しやすくなる。そのうえで、重要度が大で、緊急度も大の業務から取り組む。
マルチタスク管理手法とアクションプラニング手法の演習プログラム参加者は、
10分程度でこのプロセスを進めることができるようになる。
大事なことは、漠然と「優先順位を立てよう」というように考えるのではなく、「
その日に実施いなくてもよい業務を除ける」「
ほかの人に依頼できる業務を選ぶ」「
重要度の大・中・小を見極める」「
緊急度の大・中・小を見極める」というように、
分解した行動をとるということだ。あれこれ考えることよりも、
行動することが解決の早道なのだ。
質問:業務が山積しており気持ちを切り替える余裕さえない
仕事のモチベーションファクターに合わせて、自分の意識を切り替えたり、相手のモチベーションファクターをふまえて指示の仕方を変えたりしていけば、モチベーションが上がり、パフォーマンスが向上することはわかりました。
しかし、そもそも、
やらなければならない業務が山積しており、ひたすら
端から処理することに精一杯で、そのような
工夫をしていく余裕がありません。山積する業務の処理能力を上げる方法はないでしょうか?
回答:業務のスケジューリングの工夫をする
業務効率の高い人は、業務のスケジューリングをするにあたり、下のような工夫をしていることが多いものです。
類似業務や関連業務を同じ時間帯で実施するということは有効な方法です。ほかのメンバーや上司に
依頼できることは依頼するという工夫もしています。
<業務のスケジューリングの工夫例>
・類似業務や関連業務は、同じ時間帯や連続する時間帯で実施
・移動しながら処理、面談時に合わせて確認するなど、できることは同時に実施する
・社外相手、社内相手の仕事、序文でする仕事の順に優先順位をつける
・重要度、緊急度、貢献度の観点から業務の優先順位をつける
・メールはタイトルを見て、重要度のたかそうな順から本文を読む
・締め切りを後ろ倒しにできるか検討したり、交渉したりする
・ほかのメンバーや部下に依頼できることは依頼する
・上司に依頼できることは依頼する
・当該期間に実施しなくてよいことは、実施しない判断をする
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第234回】
<取材・文/山口博>