投信を始めるなら専門家が編み出した極意を学べ
2014.09.03
今年は難しい相場が続いていたが、5月下旬から“アベノミクス第二幕”と期待したくなるアゲアゲ相場がきている。今回、1年3か月で資産を50倍にした株トレーダーや、余裕で億超えしているFXトレーダーなど、最強投資家たちの手法と今後の戦略を聞いた!
<総資産 数千万円/長期保有:kenz氏>
個別株だけでなく、アベノミクス相場では日本株投信も大いに恩恵を受けた。DIAMアセットマネジメントの「新興市場日本株ファンド」やJPモルガン・アセット・マネジメントの「JPMザ・ジャパン」など、売れ行き好調で残高が上限に達し受付停止になる商品が出たほどだ。数千万円の運用資金をインデックス投資に投入する個人投資家のkenz氏も、「ここ1年半ほどで保有銘柄の資産が40%上昇した」という。
「現在はインデックスファンド十数本、ETFを2本保有していますが、ポートフォリオに債券を多めに入れている僕ですらこれだけのパフォーマンス。なので、株式の割合が高い人はあの相場でもっと儲けたはず」
ただ、活況を呈す日本株投信に走らず、あくまで自分のアセットアロケーションをキープするのがkenzさんの方針だ。現在、日本株の割合は全体の6~7%に抑え、先進国株や債券をメインに据える姿勢にブレはない。
「今はホームバイアスがかかっていて、みんな日本株投信を買いますが、実際にはかなり割高になっていると思います。せっかく抑えていた保有資産の平均購入単価が高くなってしまう。それに、アメリカ株など海外の先進国株への投資のほうが実質リターンは高かったりする。日本株が上がれば連動してアメリカ株も上がっているわけですから、そちらに直接投資したほうが効率的です。なので、資産配分的には先進国株全体が基本になるんです」
インデックスファンドやETFを中心に投資する場合、毎月同じ額を積み立てて運用する投資家も多い。だが、kenzさんは買い付け額も局面によって変化させているという。
「私の場合は株高円安だと月の最少額だけ投資し、逆に円高株安になると多めに資金を投入します。基本的には円高株安の局面を狙っているので、今は非常に買い付けしづらい状況なんです。次に大きな円高株安が来たらそのときが買いどきかと。もちろん今後、保有する日本株資産が上がって割合が増えてしまうことも考えられますが、そのときは他の資産クラスを買ってリバランスするつもり。売却して税金を2割持っていかれるよりはマシですから」
また、外貨建て資産を多く持つkenzさんにとっては、株価よりも為替リスクにヘッジをかけることが、より重要になるという。
「今後も円安に動きそうなので、為替リスク分散のためにも、トピックスよりも海外先進国株の割合を高めるような買い付け方をしています。逆に円高になったら海外資産を買えばいいですし、もちろん1ドル110円とかになってくれば日本株も上がるのでしょうが、そのときは同時に先進国の株価も上がっているはずですから」
割高感が出始めている日本株投信に代わって、アベノミクス第2戦略としてkenzさんが推奨するのは、バランス型投信のような分散投資だ。
「これから投信を始めようとするなら、日本株投信をゼロから始めるよりも、リバランスして日本株の比率を一定に抑えてくれるバランス投信を買ったほうがいいでしょう。私のように毎月調節しながら、投信を買うなんてこともしなくて済みますしね。特に、『世界経済インデックスファンド』のようなGDP比率を基準に世界の株式・債券に投資する投信が、手数料も安く済むのでおススメです」
<教訓>
日本株投信は割高。海外先進国株の割合を高めることで為替リスクもヘッジ
【kenz氏】
[投資歴:2009年から5年/アベノミクス益:資産40%増/主な監視銘柄:インデックス投信&ETF]インデックスファンドとETFを中心に運用する兼業投資家。今年4月末での総資産は過去最高を記録したという。投資ブロガーのオフ会なども開催している。長年続けるそのブログにはファンも多い
先進国株と債権をポートフォリオの中心に
トピックスよりも海外先進国株の割合を高める
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