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昨年2月、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つとして政府は一斉休校を決めた。そして休校・休園に伴い休まざるを得ない保護者の賃金を補償するために、当時の安倍晋三首相は「(一斉休校で減収の親に)新しい助成金制度を創設することで、正規・非正規を問わず、しっかりと手当てする」と表明し、小学校休業等対応助成金制度(以下、休校助成金)が創設された。
しかし1年が経過しても休校助成金が使われない実態があり、予算執行率は1/4にとどまる。いま、子どもを育てながら働く親たちが中心となって、休校助成金制度の改善を求めるアクションが全国に広がっている。
小学校休業等対応助成金とは、臨時休校・休園となった小学校・幼稚園・保育所等に通う子の保護者が休業した場合、有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対して、国がその10割を助成するものだ。
正規雇用・非正規雇用を問わず、労働者の所得の減少に対応するために作られた制度であり、休校助成金を活用すれば、会社は負担を負うことなく、従業員に対して10割の休業補償を行うことができる。厚生労働省も「保護者が希望に応じて休暇を取得できる環境を整えていただけるようお願いします」と、積極的な活用を呼び掛けている。
休校助成金制度を積極的に活用した職場の労働者からは、「年次有給休暇が少なかったので、制度を使えて助かった」といった安堵の声が聞かれた。
その一方で、休校助成金制度を活用しない会社も多くある。休校助成金は総予算1719億円のうち464億円しか執行されていない(1/29時点)。休校助成金制度を活用しない会社側の理由は大きく分けて3点ある。
まず、会社が「制度を知らない」という理由があげられる。本来は会社側が調べるものだが、筆者が執行委員長を務める首都圏青年ユニオンは制度活用の理解を粘り強く求めて活用を促しているところだ。