他者への攻撃や報道阻止に使われる「SNSの著作権フィルター」。米警察が活動家のライブ配信を阻止した事例から考える

スマホで音楽をかけようとするビバリーヒルズ警察の警察官

スマホで音楽をかけようとするビバリーヒルズ警察の警察官 SCREENGRAB: @ALWAYSFILMTHEPOLICE via Instagram

活動家の配信阻止のために使われたSNSの著作権フィルター

 先月、アメリカの活動家が、ビバリーヒルズ警察署とのやり取りをインスタグラムでライブストリーミングしようとしたところ、警察がロックバンド Sublime の曲を流して、配信を妨害しようとしたというニュースが話題になった(INTERNET Watch)。  動画配信の著作権フィルターを利用して、自動処理で動画を排除しようと目論んだというわけだ。この記事は、EFF(Electronic Frontier Foundation:電子フロンティア財団)の「Cops Using Music to Try to Stop Being Filmed Is Just the Tip of the Iceberg」(音楽を使って撮影をやめようとする警官は氷山の一角に過ぎない)という記事が話題になったものだ。警察が音楽を再生し出す様子は、こちらから見ることができる。
 EFF は、1990年に設立された非営利団体だ。テクノロジーが世界中のすべての人々の自由、正義、革新を確実にサポートすることを掲げている(Electronic Frontier Foundation)。  EFFの記事では、音楽を再生することで動画のストリーミングを停止することは、ディズニー映画を再生する画面を持ち歩くよりも簡単だと書いてある。実際に、音楽の著作権フィルターは敏感で、有効な方法だ。Youtube では、このフィルターを悪用して、他人の動画を自分のコンテンツだと主張する攻撃が横行している。

継続して攻撃すれば活動家アカウントを閉鎖させることも

 前出の記事は、ある記事を元に書かれたものだ。その元の記事は、VICE の記事である。この記事では、民間人が警察官を撮影することは、法の下で許可されていると説明してある。そして、警察がその権利を回避するために、音楽を利用していると書いてある。また、この攻撃を繰り返すことで、度重なる著作権違反で、活動家のアカウント自体を停止させる効果も狙っているとある。  この記事を書いたのは、Dexter Thomas 氏だ。彼は、この記事に続いて、似たような警察の事例の記事を3本書いている。そしてこの行為が、決して特殊な例ではないことを、私たちに教えてくれている。  2本目の記事では、ビバリーヒルズの警官がビートルズの『イエスタデイ』を使い、Instagram の著作権フィルターを利用しようとしたことが書いてある。  3本目の記事では、イリノイ州の郡保安官事務所でカントリーミュージックを使った攻撃が報告されている。  こうした、動画サイトへの投稿を防ぐための著作権フィルターを利用した攻撃は、警察でノウハウが徐々に共有されているようだ。現在のジャーナリズムの主戦場は、動画になっている。その動画の配信を防ぐことで、不都合な情報が拡散することを防ぐ。そうしたことが公然とおこなわれているわけである。
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「著作権フィルター」という双刃の剣
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