投資で年間1000万円稼ぐまでの道のりとは?

今年は難しい相場が続いていたが、5月下旬から“アベノミクス第二幕”と期待したくなるアゲアゲ相場がきている。今回、1年3か月で資産を50倍にした株トレーダーや、余裕で億超えしているFXトレーダーなど、最強投資家たちの手法と今後の戦略を聞いた!

裏付けある銘柄を厳選するには何が必要なのか?

<運用資産3000万円/デイトレ&オプション:hiro氏>
hiro氏

hiro氏

 専業の個人投資家、hiro氏の運用資産は3000万円ほど。投資歴は14年と長いが、特にここ4~5年で大きく増えたという。 「株を買い始めた当初は、なかなか資金が増えなかったですね。そもそも株を始めたのは、当時勤めていた会社の上司に勧められたのがきっかけで、余裕資金の100万円を投入しました。それなりに勉強しながらトレードして、最初の数年間は、年に数十万円儲けることができました」  このように、当初は目立った成果ではなかったものの、何年も地道な投資活動を続けていくなかで、次第に利益は大きく増えていったという。 「ただ、’08 年にはリーマンショックで、600万円くらいあった資産が200万円ほどに減ってしまった。あれは、私の投資人生で最も大きな試練でしたね」  ところが、翌’09 年3月に仕込んだREITが大当たりして、損失を一挙に挽回! 「REITの利回りは、今だと3~4%くらいが普通ですけど、リーマンショック直後は8%くらいの利回りもザラ。これは買うしかないと思って、かなり強気でいきました」  その結果、REITや大型株のおかげで’10 年には運用資産2000万円を達成。’08 年末の200万円が2年で10倍になったのだ。 「そこである程度の自信を得て、専業でやっていく決意を固めました。それからは、基本的に年間でマイナスになった年はなく、まず順調に資産を増やせています。特に、昨年のアベノミクス相場では、初めて年間1000万円以上の利益を出すことができました」  そんなhiro氏の投資スタイルは基本的にデイトレのみ。売買する銘柄は、前日の大引け後にじっくり検討しているというが、原則は日足チャートを見て、“前日動きがよかった銘柄”からピックアップするとのこと。
チャート

中期的な下落トレンドから底打ちし、横ばいの期間を経て少し上抜けたところで、hiro氏は3単元ほど購入。このときはスイングで、下落に転じるまで3回に分けて売却

「『前日動きがよかった』と判断する基準はごく単純です。日足チャートで下落後に反発し、横ばいをへて、ピョコンと上昇の兆しを見せたものを狙って買うだけ。左のサイバーダイン(7779)もそうですが、経験上チャートがこのような形になると、そこから短期的に急騰しやすいからです」  条件にあてはまるチャートを探すため、hiro氏は毎日大引け後に、過去に取引した全銘柄、500~600銘柄ほどのチャートをチェックしているという。 「全部チェックすると、20~30くらいは有望銘柄をピックアップできるので、それをホワイトボードに書き出していきます。あとは、それらのなかでも好業績だったり、よい材料が出ているなど、ファンダメンタルズ面の裏付けのあるものを厳選して、取引銘柄を決めます。それで、毎日10~20銘柄くらいは売買しますね」  ただ、この手法は基本的に順張りなので、相場が低迷しているときや、膠着状態になっているときには、売買できる銘柄が減ってしまう。 「実際、今年の前半はかなり苦戦しました。でも、専業である以上は、コンスタントに利益を出していかなければいけない。そこで、私がデイトレと並行して取り組んでいるのが、オプション取引です」

ボックスなら、オプションの売りで利益を確保

オプション戦略

1万2000~1万7000円のレンジ内に日経平均株価が収まっていればプレミアムがもらえる。相場が大きく動いたときは臨機応変に先物でヘッジする

 オプション取引とは、「将来、取引する権利」を売買する取引のこと。オプションの対象を、将来の一定期日までの間、あらかじめ決まった価格で買う権利(コール)と、売る権利(プット)がある。オプションの種類には「コールの買い」「コールの売り」「プットの買い」「プットの売り」があるが、「私が売買するのは、日経225オプションのコールの売りと、プットの売りだけです」とhiro氏。 「現政権の政策上、日経平均株価が1万2000円を下回るようなことはないと考えているので、日経平均株価が1万2000円を下回らなければ儲かる『プットの売り』をしています。また、何かよっぽどの材料が出ない限り、日経平均株価が1万7000円を突破することもないという考えから、1万7000円を上回らなければ儲かる『コールの売り』もしています。日経平均株価が1万2000~1万7000円のレンジにいる間は、月20万円ほどの利益になるように、それぞれのオプションを売っています」  相場が急騰・急落したときは大きな痛手を負うことになるので、「相場を注視してオプションの設定を調整しつつ、上昇局面ではデイトレを活発にやりたい」と、今後の相場とトレード戦略を語る。 <教訓> デイトレをガンガンやりつつ、ボックス相場を狙ってオプション取引で小銭を稼げ 【hiro氏】 [投資歴:’00年から14年間/アベノミクス益:約1000万円/主な監視銘柄:チャート妙味のある銘柄]「職業:FP兼トレーダー(Lv11)」の名で、「トレード黄金伝説!」(http://ameblo.jp/hirohiro2002/)という投資ブログを運営。10年に及ぶ兼業トレーダー生活を経て、’11年から専業に転身
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