「いまや日本は公務員が計画経済をする時代」藤沢数希氏
アベノミクスによる超金融緩和政策で、日銀は年3兆円のペースでTOPIX連動型ETFを買い、約130兆円の年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も日本株の目標ウエイトを25%に引き上げている。結果、日銀とGPIFが日本の大株主になってしまった。
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いまやGPIFや日銀は、安倍政権の内閣支持率を高めるためのオモチャにされている。株価が下がれば、これらの巨大機関が大きな買いをいれるのだ。しかし、国民の税金で株を永久に買い続けるわけにはいかない。そして何よりも株式市場というのは、民間の投資家たちが知恵を絞って売買することにより適正な値段がつくのだ。これからの国民のニーズを的確に把握し、新しいサービスを提供できる見込みの会社には高い株価がつき、資金を集めやすくなる。一方で、ダメな経営者の会社は株価が低迷し、最後には市場から締め出される。こうしたマーケットメカニズムにより、株式市場は経済成長のエンジンになっているのだ。GPIFと日銀がこうした成長エンジンをじわじわと破壊していくだろう。日本は資本主義をやめて、公務員が計画経済をする国になるのだろうか。共産革命である。
【今週の数字】
日銀が保有する日本の上場株式
8.5兆円
’15年1月末で、日銀は日本の上場株式を約8.5兆円保有。’15年末には11.3兆円程度まで増える見込み。約2.3%の日本株を保有し、日本生命を抜き第2位の株主だ
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」管理人。恋愛工学メルマガも発行する。cakesでは恋愛小説も連載中
日本株の筆頭株主はGPIF、第2位が日銀に。日本は共産主義国家になるのか!?【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
日本は公務員が計画経済をする国になるのか
『外資系金融の終わり』 それでも明るい金融の未来 |
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2015.02.08
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