子供時代に過ごした「実家」を賃貸に出してサラリーマン大家に

アベノミクス以降、過熱する不動産投資。都市部では不動産価格の高騰から参入しづらい感がある。そんななか、サラリーマン投資家に新たな潮流が生まれているという。注目が集まるのは築古一戸建て投資。その最新事情を追う!

築古の「実家」を賃貸経営して利回り90%!?

⇒【前編】「“サラリーマン大家”に新潮流。築古一戸建て投資とは?」 和室 自己資金がない人にオススメなのが「実家」の築古一戸建て投資だ。子供時代に過ごした「実家」を賃貸に出してサラリーマン大家になったのは千葉県在住の米田裕紀さん(仮名)だ。 「子供時代に5人家族で暮らした5LDKの実家に一人で住んでいた母親を呼び寄せ、妻と子供と4人で暮らすことにしたんですが、実家は築32年で最悪の立地条件。不動産業者からは“売っても900万円にしかならない”と言われ、賃貸運用に踏み切りました」  簡単なリフォームをした物件に家賃月額9万円で募集をかけたところ、悪条件にもかかわらず、2か月で借り主が現れた。6人と犬3匹という家族に「この条件でも住める賃貸を探していた」と感謝されたとか。米田さん自身は、この家賃収入を担保に半二世帯型の中古物件を1300万円でローン購入したのである。 「一戸建て需要がこれほどあることに驚きました。こちらとしても固定経費が圧縮できていいことずくめです。転居した住宅のローンは母の年金でも払える額ですし、母親と一緒に暮らすことで税金も光熱費も圧縮できた。今後、介護が始まっても移動の手間や出費がないし、将来的にかなり大きな節約になります。まあ、最大のラッキーは、妻と母親の仲が非常にいいことですね。一般的にはここが一番大きなハードルになりそうな部分ですから」  現在、米田さんには不動産業者から「もう一軒、築古一戸建ての賃貸経営はどうか」という買い足しの打診があるという。  これもサラリーマン大家を始める新たなスタイルか。戸建て賃貸が、新たなるトレンドになりつつある。

都心部でも買える!? ワケあり中古物件投資

 マンション価格の高騰が続く東京。だが、サラリーマンでも狙える不動産投資術があるという。 「それは再建築不可物件への投資です」とは会社員のAさんだ。建築基準法では、公道に2m以上接しない土地には再建築が認められていない。購入には住宅ローンが組めないが、数百万円の自己資金さえあれば、投資は可能だという。 「昨年、足立区で築32年、建物面積50平方メートルという物件を700万円で一括購入。その土地を担保に借り入れた280万円でリフォームしました。再建築不可物件は担保価値がないと言われますが、路線価で見た価値の半額程度のローンは組める。現在は8万2000円で貸して利回りは約10%です」  またキャピタルゲインも狙える。 「隣の土地と合併して接道要件を満たせば、平米あたりの価値は、2倍近くに。隣が高齢者の一人暮らしなので、相続待ちです」  リスクは火災や地震で滅失した場合、再建築は不可。駐車場にすらできず、無駄に所有することになるのでご注意を。 <取材・文・撮影/鈴木大介 奥窪優木> ― サラリーマン大家最前線【2】 ―
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