五輪延期でライフプランが狂った!選手村マンション購入者たちの悲痛な声。「余生を親子一緒に過ごすはずだったのに…」

 東京・晴海の広大な敷地にできた選手村。五輪終了後は5000戸を超す巨大マンション群に生まれ変わる予定だ。しかし、五輪延期で引き渡し予定が狂い、購入者たちは困惑している。一部は補償を求め民事調停を申し立てた!

ライフプランが狂った!購入者たちの悲痛な声

選手村

立ち入り禁止となっている敷地一帯にはすでに建物が完成しているが、誰も人はおらず不気味だ

 1年間の延期を経て、さらに混迷を極める東京五輪だが、「レガシー」となるはずだった建物を巡ってもトラブルが発生している。  その建物とは、東京都中央区晴海に建設されている「五輪選手村」だ。44haという広大な敷地面積を誇るこの選手村は、五輪が終わった後に増築・改修されたのち、全24棟5632戸に約1万2000人が入居する一大マンション群「晴海フラッグ」として、生まれ変わる予定なのだ。  ’19年7月に販売が開始されるや「選手村の跡地」という無二のブランド力で脚光を浴びた。『激震!コロナと不動産』(扶桑社刊)を上梓した住宅ジャーナリストの榊淳司氏は言う。 「晴海フラッグの分譲住戸の坪単価は、多くの物件で300万円前後。中央区では最安レベルと言っていいでしょう」  こうした理由から購入希望者が殺到。最も人気の高い部屋では、その倍率は71倍にも達したという。ところが、東京五輪が1年延期されたことに伴い、’23年3月だった引き渡し日が1年後ろ倒しになってしまったのだ。
選手村

※複数の不動産情報サイトが掲出した予定価格を参考に作成

24人の契約者が東京地裁に民事調停を申し立て

 この決定に、未来の住民の一部が異議を唱えた。2月に入り24人の契約者が、引き渡し日延期に伴って発生する費用の補償を求め、東京地裁に民事調停を申し立てたのだ。彼らの代理人を務める轟木博信弁護士はこう主張する。 「契約書には、『売主側の故意・過失ではない事由、または予見できない事由によって引き渡しが遅れる場合は(購入者は)承諾しなければならない』という条項はあります。しかし、遅延に伴う損害賠償の免責については記載がない。  また、五輪が1年延期されたとはいえ、もともとの引き渡し日である’23年3月までは1年半以上あり、作業員の増員などの努力で予定通りの入居も可能なはず。この点についても、デベロッパー側は『働き方改革との兼ね合いで難しい』と意味不明な回答をしています」  8500万円の95㎡の住戸を契約し、民事調停申し立てに加わった40代の女性会社員もデベロッパーの対応に不満を漏らす。 「新居の購入費用の大半は、今住んでいる物件を売却して充てる予定でした。しかし、延期された1年の間に不動産相場が下落するかもしれない。一番の希望は期日通りの入居ですが、それが不可能なら、今の物件を早めに予定通り売却するので、それから入居日までの1年分の住居費を補償してほしい。  また、契約者はすでに購入額の10%を手付金としてデベロッパーに預けているのですが、預け期間が1年延びても利息すら払われない。1000万円近い現金があれば、1年でそれなりの運用益も見込めますが、これではまったくの機会損失です」
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