ベトナム・ハノイで邦人男性死亡、死後にコロナと発覚し広がる波紋

旧正月の帰省で国内に拡大した可能性も

死亡男性が働いていた企業が入居するビル

死亡男性が働いていた企業が入居するビルが15日昼に閉鎖されているような状況になっていた。(画像提供:ハノイ在住日本人)

 死亡した男性がいたホテルは、CDC発表があった翌日15日朝の段階で封鎖されていると、現地日本語メディアが伝えている。また、同日昼には、勤務先があるビルも封鎖の準備が始まっているようだと現地在住者が話す。 「ただ、政府側の人間が来て封鎖という感じではなく、もしかしたらビルが自主的に閉めているだけかもしれない」という。事務所ビルが封鎖となっても、基本的には消毒だけなので、早ければ当日、遅くとも数日中には解除になるので、ビジネスへの悪影響は最小限だと、その現地在住者が続けた。  問題は死亡男性に関わったベトナム人だ。F1であろうが誰であろうが、テトに入ってしまったため、一斉に帰省してしまった。そのあとに自体が発覚している。万が一帰省者にF1F2の感染者がいた場合、地方の人々にまで感染リスクが広まったことになる。  執筆時現在、まだ感染経路もわからない。そんな中で現地日本人の生活にも感染とは別の危険にさらされるのではないかという懸念が浮上している。筆者は昨年3月、ベトナムが国ごと封鎖される数日前にハノイにいた。その時点でさえ、コロナ=外国から来た病気=外国人が危ない、との偏見が渦巻き、外国人入店お断りなどの差別が始まっていた。今回は明確に「日本人」と現地メディアでも報道されているようなので、バッシングが始まるリスクも決して否定できないのだ。 <取材・文/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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