収賄事件で辞職した吉川元農水大臣の北海道2区補選で、菅政権は本当に候補擁立を断念したのか!?

収賄事件で辞職した吉川元農水相は菅首相の“懐刀”

2019年4月の北海道知事選で、”菅チルドレン”こと鈴木直道知事誕生に向けて動いた吉川貴盛・元農水大臣

2019年4月の北海道知事選で、”菅チルドレン”こと鈴木直道知事誕生に向けて動いた吉川貴盛・元農水大臣(最前列の鈴木直道知事夫妻の左隣)

 現在会期中の通常国会で、野党は菅政権のコロナ対応の遅れとともに、1月15日に在宅起訴された吉川貴盛・元農水大臣(北海道2区)の汚職事件を徹底追及しようとしている。収賄疑惑の発覚後に吉川氏はすぐに入院、説明責任をまったく果たさないまま議員辞職をした。そして菅首相も、当選同期で“盟友”ともいえる吉川氏をかばって、早期幕引きで足並みを揃えているように見える。  吉川氏は農業分野における菅首相の“懐刀”とされ、“別動隊”“斬り込み隊長”のような役割もしてきた。2020年9月の党総裁選では菅首相本人に出馬を要請、推薦人名簿にも名を連ねた。2019年4月の北海道知事選でも、菅官房長官(当時)の意向を受けて、“菅チルドレン知事”とも呼ばれる鈴木直道・前夕張市長が自民推薦候補になるように動いた。  2019年2月22日の筆者記事「北海道知事選、官邸主導の“公明党カード”で与党候補は鈴木直道・夕張市長に」で紹介した通り、吉川氏は道連会長として「鈴木市長ありき」の“官邸忖度選考”を押しつけ、地元議員や経済界らが擁立を望んだ和泉晶裕・国交省北海道局長を封じ込める役割を買って出ていたのだ。

家畜への扱いの国際基準を、甘く修正してもらった恩返し!?

森ゆう子参院議員(立民参院幹事長)ら野党議員は、合同ヒアリングで相次ぐ疑惑を追及してきた

森ゆう子参院議員(立民参院幹事長)ら野党議員は、合同ヒアリングで相次ぐ疑惑を追及してきた。吉川元大臣の収賄事件でも、発覚直後の12月に野党ヒアリングを開催

 そんな“菅別動隊”として汗をかいてきた吉川氏を、菅首相が政権をあげて擁護してもまったく違和感はない。実際、2020年12月7日に初会合が開かれた「養鶏業者裏献金疑惑 合同ヒアリング」では、“忖度農水官僚”が野党議員の質問をはぐらかし、文書提出にも応じないという不誠実な対応を続けた。  大臣室などで鶏卵業界大手「アキタフーズ」元代表から計500万円を受け取っていたと報道されていたのに、農水大臣と元代表の面談記録さえ「捜査中」を理由に開示しなかったのだ。 「絵にかいたような収賄疑惑。農業政策を金で捻じ曲げていたのではないか」と指摘するのは、森友・加計・桜を見る会の野党ヒアリングにも参加してきた森ゆうこ参院議員(立憲民主党参院幹事長)。  実際、業界からの現金提供に恩返しするために、吉川氏は「アニマルウェルフェア(動物福祉)の国際基準を甘く修正するように動いた」という交換関係があったのではないかとみられている。森氏は、こんな補足説明をしてくれた。 「巣箱や止まり木の設置を義務化する国際基準が修正されたことについて、農水省は『世界の流れに逆行しているわけではなく、いろいろな立場があって、この程度の修正は妥当』という説明で印象操作をしていました。  実際は、『ケージで折り重なるように密集して飼う養鶏場はアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から良くない』と専門家は問題視、農林水産委員会でも『日本は遅れている』と指摘されてもいました。そこで野党ヒアリングでは、『厳しい基準を満たさないと、海外で購入対象外になってしまう』という『輸出』の話をしたのです」(森氏)  かつて日本の自動車産業は厳しい排ガス規制を受け入れて国際競争力をつけたが、同じように養鶏業者も「アニマルウェルフェア」を満たす飼育方法への転換によって、輸出増の道を切り開くことができるというわけだ。  しかし実際には、賄賂によって世界的潮流と逆行する遅れた飼育方法の継続が可能となった。農業政策がカネで歪められた可能性は極めて高い。
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候補擁立断念の背後にある菅政権の魂胆
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仮面 虚飾の女帝・小池百合子

選挙や五輪を優先して、コロナ感染爆発を招いた小池百合子東京都知事。
都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ!

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