軍部の統括指令本部でも優先順位の不明瞭さが原因となり、統合幕僚長が辞任するという事態も発生した。軍部内で決めたのはワクチン接種の優先順位としてまず医療班を最初に、そのあと近く外国に派遣される軍人がその対象になった。それから指揮系統に属する軍人が対象になり、その中でも年齢層が高い将軍をまず優先した。ところが、なぜ将軍までもが優先的に接種されるのかという不満が軍内部で起きていることをメディアが取り上げ、マルガリタ・ロブレス国防相はなぜ幕僚長が接種を受けたのかという説明を彼に求めるという事態にまで発展した。結局、それが要因となって幕僚長は問題を拡げたくないとしてあっさり辞任した。
これから特権を利用したワクチン接種はまだまだ出て来るはずだ。筆者もワクチン接種を受けることになっているが特権を持っていないのでその順番を待つしかない。
<文/白石和幸>