FIREを目指すなら押さえておくべき「リタイア後のリスク」。達成の目安「4%ルール」とは

 今、FIREという言葉が注目されている。これは、Financial Independence,Retire Earlyの略で、投資などで経済的自由を得て早期退職を目指す生き方のことだ。欧米の若年層から広まり日本に広まり、今では「FIREブーム」という言葉も。  しかしながら、FIREを目指すことによって生じるリスクがあることもまた事実だ。今回はファイナンシャルプランナーの秋山芳生氏に、そのリスクについてわかりやすく説明してもらった。

FIREを目指すなら抑えておくべき「リタイア後のリスク」

FIRE

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「若いうちから将来に備えて資産を築くのは正しいですし、FIREしてから何かやりたいことがある人には有意義な選択肢だと思います。  ただ、『会社が嫌だ』というだけでやみくもにリタイアするのはリスクも大きいと知っておくべきでしょう」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの秋山芳生氏。  確かに年間支出を抑えれば数億円の資産がなくてもリタイア生活を送れるが、その反面、会社員として受けられたはずのメリットを捨てることになるのは事実だ。 「リタイア後の明確なビジョンがあればいいですが、ない場合はかえって将来の選択肢を狭めてしまいます。将来の生活資金をギリギリで計算していると、何か不測の事態が起きたときに『お金がないから持ち家や教育資金を諦めないといけない』と、なりかねません。  リタイアするのなら『厚生年金が減っても老後は大丈夫か』『子供が生まれても教育資金は足りるのか』『親が介護になったらどうする?』など、将来の見通しを熟考してから動くべきでしょう」

FIRE達成の目安「4%ルール」とは?

 また、FIREブームを生んだアメリカでは、FIRE達成の目安として「4%ルール」がある。これはリタイア後の年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費を賄えるという考え方だ。  例えば支出が月に10万円で年間120万円なら3000万円を年利4%で運用すれば、理論上はずっと生活できることになる。 「とはいえ、投資に絶対はありません。仮にリタイア後の全期間の平均利回りが4%だとしても、年によっては資産を大きく減らしたり増やしたりすることが出てきます。  それに、月10万円の生活費でずっと暮らせるかどうかも疑問です。『計算上は会社を辞めてもOKだ』と一気にリタイアに踏みきるのではなく、配当以外の収入もキープしながら徐々にFIREに踏み込んでいくほうが賢明でしょう」  そのうえでFIREを目指すなら、まずはどのように動きだすべきか。 「FIREを達成するためには『支出を抑える』『貯める』『運用する』など必要な要素がありますが、まずは『支出を抑える』が第一。バケツの底に穴が開いていては何も貯まりません。  最初は月々の給料から5万円を節約して、そのうちの3万円を投資に回してみて、その生活を無理なく続けられるようにすることです。それができてはじめて大きな資産形成の第一歩が始まります」  千里の道も一歩から。まずは自分が理想とするライフプランと向き合ったうえで、選択肢の一つとしてFIREへの道を歩み始めるのがよさそうだ。
秋山芳生氏

秋山芳生氏

【ファイナンシャルプランナー・秋山芳生氏】 博報堂を経て、FPとして年間1000回以上の家計相談を受ける。また、FPユーチューバーとして家計改善やライフプランニング、オンライン面談なども行う。 <取材・文/牧隆文 吉岡俊>
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