4月の緊急事態宣言時においては、強烈に休業要請を迫られたパチンコ店であるが、今回は「協力の呼び掛け」である。もちろん社会的な状況を鑑みれば、20時までの時短営業要請に応じることが是とされるのは重々承知ではあるが、ここ数年のパチンコ店の経営状況を鑑みるとき、補償無き営業の制限は軽々には受け入れがたいことでもある。
今回の該当地域におけるパチンコ店の協力内容は、業界として現時点では精一杯の対応であるのだろう。もちろん今後、感染拡大状況が減少に向かわず、横ばいや更なる拡大に向かうのであれば、政府としてもより強い対策を講じなくてはならないであろうし、パチンコ業界としても先々の状況によっては「休業要請」への制限の格上げが行われる可能性があることも知っているだろう。
「覚悟はしているが、そうならないことを祈っている。もしまた休業要請のようなことになれば、あの時よりも応じない店舗が増えるのではないか。応じられないというのが正しいけど」(都内某店のパチンコ店店長)
2020年の1年間、全国の多くのパチンコ店が所属する全国遊技事業協同組合連合会に所属するホールのうち、500店舗以上のパチンコ店が廃業・休業(実質的に廃業)に追い込まれた。遊技機の規則改正による旧規則機の一斉撤去を迎える2021年にはより多くのパチンコ店が廃業となるだろう。
今は出来る限りの協力で、政府の呼び掛けに応えることしか出来ないというのが実情だ。
<文/安達夕 写真/
栄華>