「結婚して、“普通”になりたい」30歳漫画家がヒモ彼氏を養う理由

漫画家のイメージ

画像はイメージ(adobe stock)

 「私今、ヒモと結婚しようか、悩んでいるんです」  そんな衝撃的な一言から、酒井あやなさん(仮名・30歳)の取材は始まった。某有名マンガ誌で連載を持つ彼女。漫画家という夢を叶えるために、恋愛をおろそかにしてでも、目まぐるしい毎日を送ってきた。新型コロナをきっかけに、今まで目をそらしてきた“結婚”を意識しはじめたという。

オタ活に捧げた青春

「ずっと、自分は恋愛と無縁だと思って生きてきました。小学生の頃にはオタクを通り超して腐女子になってしまって、同じ趣味をもつ女友だちとだけつるんできました。自分の見た目よりオタ活にお金をかける青春時代でしたから、学生時代は恋愛経験も皆無。取り柄と言えば絵を書くことくらいだったので、漫画系の専門学校を出てからは、なんとか漫画で生計が立つように努めてきました。  最初はなかなかうまくいかず、編集部に漫画を持ち込んでも塩対応されて、編集部の紹介でアシスタントのバイトをしたり、広告漫画を書いたり、同人誌を作ったりしてなんとか生活していました。もちろん一人暮らしはできなくて、同じ夢を志す友人とシェアハウスをしていました。  コツコツとした下積みのおかげで、なんとか商業誌にも漫画を掲載できるようになり、その頃にはやっと収入が安定するようになっていました。もともとショートスリーパーなので、商業マンガを描きながらも、コソコソとWEBの漫画広告の仕事を受けたりして収入をかさ増し。夢見ていた形とは少し違っても、漫画家として生活できるようになりました」  そう語る酒井さんは、少しぽっちゃりしているものの、語り口は丁寧でやわらかい。ナチュラルメイクにメガネをかけているので、少し地味な印象は受けるかもしれないが、いい意味で高嶺の花すぎず、親しみやすい。

フリーターでお金はないが……

「とにかく仕事量をこなすことで稼いでいるタイプなので、生活はいつも大荒れ。社会人になってからも、なかなか恋愛の機会はありませんでした。コミケやネットで気になる異性ができたことはあるので、多少の交際経験はありますが、私が忙しすぎることもあり、長続きしたことはありませんでした。  でも、私には今ヒモがいるんです。ネットで知り合った年下の男の子で、いわゆるフリーター。あちらからのアプローチで交際しはじめて、3年ほどお付き合いをしています。フリーターの彼はいつも私に予定を合わせてくれるし、締切間近の忙しい時は、漫画を手伝ってくれることもあります。そもそも、こんなに長く交際が続いたこともはじめてで、彼はお金こそないですが、私は楽しくお付き合いさせてもらっています」  漫画家という職業のせいなのか、元々の性格なのか、少し不思議な雰囲気も持っている酒井さん。交際当初から、お金がない彼のために、デート代も負担することが多かったのだというが、それまで恋愛がうまくいかなかったこともあり、お金を出してうまくいくならそれでいいと思ってしまうのだそうだ。
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主夫からただのヒモに
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