飲食、エンタメetc. 感染拡大と政府の無策の影響を受けた業界は復活するか? コロナ負け株を総点検!
変異種まで登場し、ますます混沌とする新型コロナ騒動。市場に与えた影響も甚大だが、今だからこそ注目すべき銘柄も存在する。識者2人にじっくり聞いた。
新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた’20年の前半は、ほとんどの株価が急落した。しかし、長期的に見て業績回復が見込める企業は、売られすぎて株価が安くなっており、安く買えるチャンスでもあった。事実、すでに株価がV字回復を果たした銘柄も数多く存在する。
“売られすぎ銘柄の逆襲”は、どのようにしてもたらされるのか。経済アナリストの馬渕磨理子氏は、「業界で見るのではなく、個別の企業で見る。いかにコロナに適応できたかが重要」と述べる。
「苦戦を強いられている飲食業界ですが、換気がしっかりしているイメージから焼き肉が堅調。また、すき家のゼンショーや、スシローグローバルHDなどはテイクアウト需要をいち早く取り込むことで比較的早く持ち直しています。
小売業界はドラッグストアだけが気を吐いていましたが、EC特需で躍進。化粧品の資生堂が半値戻し、美顔器のヤーマンが利益2倍と絶好調です。また、健康意識の高まりからジムの需要が再燃。トレーニング機器に特化し、個別性を高めたエニタイムを運営するファストフィットネスジャパンは、閉店した地方の飲食店を居ぬきしてコロナ禍にもかかわらず店舗を拡大しています。
さらに、コロナの影響をモロに受けたリアルなエンタメ業界では、ディズニーランドを擁するオリエンタルランドが今やコロナ以前より好調。ブランド力がある大企業は強い」
直近では、GoTo関連の施策も企業の株価回復を手伝った。
「大手回転寿司チェーンのくら寿司は赤字続きでしたが、GoToイートを裏技的に使った『無限くら寿司』の話題沸騰により直近は大幅高に。GoToトラベルで言うと、旅行業界では会員制プライベートホテルのエクシブを運営するリゾートトラストが、国内旅行が盛んになったことで躍進。業界復興の兆しが見えたさなかでのGoTo停止は残念ですが、来る再開時の良い判断材料となったはずです」
専業投資家として累計4億円を稼いだかぶ1000氏も、「地肩のある企業は強い」と述べる。
「’20年を代表する銘柄と言えば、潰れるという噂まで流れたなかで復活したソフトバンクグループでしょう。昨年の終値から見ても70%近い上昇。2兆5000億円を上限とする自社株買いなどは資本力のなせる業です。
あとは、無印良品を運営する良品計画。売り上げが激減して米国子会社が倒産するなどの危機はありましたが、それがむしろコスト削減にうまく働いた。新たにAmazonでの販売をスタートするなどECの拡大で売り上げを増やし、今は底値から倍近い株価です。両社ともコロナで一時的に落ち込んだのをバネに改革したことが奏功しました」
[コロナ負け株]を総点検!
地肩のある企業は強い
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