長年懸念されている「南海トラフ」地震は起こるのか? 2021年の巨大地震を専門家が予測

2度目の巨大余震がやってくる可能性も

地震

写真/時事通信社

 東日本大震災から今年で10年。震源地の三陸沖や茨城県沖周辺ではいまだに余震が続く状況にあるが、これはいつまで続くのか。「そろそろ2度目の巨大余震が来てもおかしくない」と見解を述べるのは、自然災害科学について研究を続ける立命館大学教授の高橋学氏だ。 「1896年に『明治三陸地震』が起こり、1933年には『昭和三陸地震』が起こった。これは、1度目の“海溝型地震”による海洋プレートの沈み込みで引き起こされた“アウターライズ型地震”の典型的な例。M8.5以上の地震の場合、海溝型地震とアウターライズ型地震はセットだと考えてもいいでしょう。現在は東日本大震災によって太平洋プレートが速いスピードで日本列島の下に潜り込んでいる状態。太平洋プレートがちぎれてアウターライズ型地震が襲ってくるおそれがあります。この時津波も生じます」  さらに高橋氏は、首都圏に巨大地震が発生する可能性も示唆する。 「12月の伊豆大島近海地震の影響で、プレートのバランスが崩れてきていると考えられます。これを引き金とした大規模地震が、首都圏に起きる可能性があります」

北海道周辺と四国地方はM7クラスの地震に注意

 地震活動を視覚的に表現する「地下天気図®」の開発を手がける東海大学教授の長尾年恭氏は、次のような予測を立てる。 「昨年12月17日時点のデータでは、北海道周辺と四国地方に地震活動の顕著な異常が。近々この地域でM7クラスの地震が起きる可能性は十分考えられます」  では、政府の地震調査委員会が、地震規模M8~9クラスで30年以内の発生確率が70~80%(’17年12月時点)と予測している「南海トラフ」地震についてはどうだろうか。長尾氏が話す。 「今のところ、南海トラフ付近には異常を示す深部低周波微動が起きてはいますが、目に見えて異常というわけではありません。とはいえ、今年起きないとは明確に言い切れない。1週間前や前日に、各方面から電波障害などの異常現象が報告されることも考えられますし、異常なデータが出る可能性も。警戒するに越したことはありません」
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コロナ禍で巨大地震が起きたときの問題点
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