不誠実答弁を可視化してきた男が衝撃を受けた、2020年の国会答弁5選

支離滅裂な答弁だらけの菅総理

第3位「99名の決裁をする前に任命拒否を知っていた」菅義偉総理  次は、日本学術会議の任命拒否問題で支離滅裂な答弁を繰り返し、国会を混乱に陥れた菅義偉総理。当初は「任命前の105名のリストは見ていない」と頑なに主張していたが、2020年11月4日の衆議院内閣委員会での立憲民主党・辻元清美議員の質問に対して、一転して「6名の任命拒否を決裁前に知っていた」と突如として認め、国会を大混乱に陥れた場面。  以下、その質疑を抜粋して紹介する。(上記の動画リンクの1分43秒~2分45秒) 辻元清美議員: 「ですから、105名出されてて6人のこういう人が外されたんだということを総理が名前も含めて自覚したのはいつかと聞いてます。決裁した後、大騒ぎになった時にお知りになったということでよろしいですね?」 菅義偉総理:私が99名の決裁をする前です。」 (*これまでの菅総理の主張と180度異なるため、辻元議員は「えっ!?」と大きな驚きの声をあげる) 辻元清美議員: 「決裁のハンコを押す前にこんな6名の人が外されたという事を知ってたということですか!?」 菅義偉総理: 「そういうことです。」  この衝撃的な答弁を受けて、辻元議員は「では、6名を外すことを誰から説明されたのか」をすぐに問い詰めて、杉田和博官房長副長官の名前が菅総理の口から出されるに至る。頑なに同じ答弁を繰り返す一方、突如として180度異なる主張を始める菅総理の混迷ぶりを象徴する一幕であった。 〈*この質疑の詳細は過去記事「「決裁前に任命拒否を知っていた」菅総理の衝撃答弁を信号無視話法分析」をご参照ください〉

明確な根拠を答えられなかった改正種苗法

第4位「同名の36品種がウェブサイト上で確認されている」太田豊彦局長  新型コロナウイルス対応や日本学術会議の問題に隠れて、報じられる機会が少ないまま12月に成立してしまった改正種苗法。可決直前の国会質疑で、法改正の根拠を崩壊させる質疑が行われていたことはあまり知られていない。  法改正では農家の自家増殖(収穫物の一部を次の作付けの種苗として使用すること)を事実的に禁じており、その根拠として国内品種の海外流出に繋がっていることが挙げられていた。だが、農水省は海外流出の客観的データすら持ち合わせていないことが2020年12月1日 参議院農林水産委員会の立憲民主党・石垣のりこ議員の質問に対する太田豊彦 食料産業局長(農水省)の答弁で発覚。つまり、自家増殖と海外流出の因果関係はおろか、海外流出の事実すらも農水省は明確に確認できていなかったのだ。  以下、その質疑を抜粋して紹介する。(上記の動画リンクの1分13秒~3分12秒) 石垣のりこ議員: 「農水省として、農水省の責任で調査をしている海外流出の基本的データは持ち合わせていないという答弁であったと私自身は認識致しております。(海外の)ホームページ等々では(同じ名前の36品種を)見ているけれども、公式な数字として農水省では確認していないということでよろしいでしょうか?」 太田豊彦局長: 「今の調査は農水省の調査でウェブサイト上で確認されたというものでございます。」 石垣のりこ議員: 「そのウェブサイト上で確認されたことは、農林水産省では日本の種苗が海外流出している事例は36例であると公式に見解を表明できるということでよろしいんですか? 」 太田豊彦局長: 「これはあくまでも同名の36品種がウェブサイト上で確認されているということでございます。」 石垣のりこ議員: 「非常に緩い調査というのか、目視確認というのか分かりませんけども(中略)農林水産省では自家増殖の事実と種苗の海外流出の事実の因果関係、その因果関係どころか日本の種苗が海外流出して被害を被っている実態を客観的に把握できるデータを持ち合わせていないということが今の答弁から明らかになったと思います。これで、農家が自家増殖をしているから日本の優良品種が海外に流出しているんですと主張する客観的明確な根拠は無いと言えるのではないでしょうか。」  種苗法改正の根拠として「国内品種の海外流出を防ぐ」「日本ブランドを守る」と謳っていたにもかかわらず、農水省は海外流出の実態をほとんど確認できていないという衝撃的な事実がこの短い質疑で露呈した。だが、この直後に種苗法改正案は可決された。立憲民主、共産、無所属の議員らは反対したものの、過半数を占める自民、公明、維新、国民民主の議員が賛成したからだ。 〈*この質疑の詳細は過去記事「「根拠は『ネットで見た』」だけ!? 改正の根拠崩壊が明らかなのに与党と「ゆ党」が可決させた種苗法」を参照ください
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国会じゃないけど、横浜市長もひどい答弁だった
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