コロナ禍の日本、浅草
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2020年に人類は、
1918年パンデミック以来102年ぶりの地球規模パンデミックに見舞われています。1918年のパンデミックは、当時未知のH1N1インフルエンザウィルスによるもので、全世界に張り巡らされた鉄道、船舶交通網と第一次世界大戦のために瞬く間に世界中に伝播し、僅か2年間で5億人から全世界人口20億人の1/3が罹患、5千万人から1億人程度が死亡したとされています。このパンデミックの威力は絶大であり、第一次世界大戦の終結を早めたとされています。また、ヴェルサイユ条約交渉にも影響し、のちのヒトラー政権勃興の原因をつくったという指摘もあります。
今年、中国の武漢市で発見された
新型コロナウィルスパンデミック(SARS-CoV-2)による感染症、
COVID-19は、2019年3月にはウイルスがスペインに存在していたことが判明しており、その他合衆国などでも痕跡が確認されていることから、現在分かっている範囲では遅くとも2019年初頭から人知れず欧米ほか世界に広がっていたとされています。
〈*
Coronavirus traces found in March 2019 sewage sample, Spanish study shows 2020/06/27 Reuters〉
COVID-19は、未だに標準療法が確立できていない恐ろしい感染症ですが、幸いにして人類社会は102年前より大きく進歩しており且つ、科学、技術、医療の飛躍的な発展のために人類は、1918パンデミックほどには悲劇的な状況に追い込まれていません。しかし、社会は甚大な影響を受け、今後大きく変わると思われます。そういった人類史における一大転換点が今と言えます。その転換点において些細な東洋の辺境から何が起きているかを見てみましょう。
コロナ禍で世界を揺るがせた2020年10大ニュース
1)2020パンデミックの発生
既述の様に、中国武漢市で発見されたSARS-CoV-2による感染症COVID-19パンデミックが発生しました。1月に謎の肺炎として全世界に知れ渡った感染症は、2月には東部アジア、3月には欧米へと広がり、3月中頃までに全地球規模のパンデミックとなりました。このパンデミックは現在も進行中であり、合衆国では、完全に制圧するには2022年までかかるとしています。また高い蓋然性で今後 COVID-19 ワクチンを定期接種せねばならなくなるともされています。
2)迅速なワクチンの開発
COVID-19は、SARS-CoV-2に対して人類には免疫がないこと、抗ウィルス薬などの特効薬が存在しないことから1918パンデミックと同じく非薬理的対処法しかなく、甚大な被害と医療への負荷を生じています。これに対し、合衆国は
Operation Warp Speed(ワープスピード作戦)という迅速ワクチン開発事業を展開し、透明性と安全性確保をしつつ、本来10年は要するところを僅か8ヶ月でワクチンを実用化しました。ロシアも
スプートニクVというワクチンを迅速開発・実用化しましたが、透明性では合衆国のOperation Warp Speedに遠く及びません。
現在、
ファイザー・ビオンテックと
モデルナのmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンが実用化しており、有効性95%という驚くべき効果と一応の安全性を兼ね備えています。一方で、これら両ワクチンには次の問題点があります。
i)mRNAワクチンは、遺伝子ワクチンの一種であるが、全く実績がなく長期的影響、次世代影響の有無が不明。理屈の上では何も起こらない筈ではある
ii)先行するファイザーのワクチンでは、最初の5日間で3%の有害事象が発生しており*、有害事象発生率が2桁程高い。とくにアレルギー反応が想定より遙かに多いことが2020/12/20のCNN New DAYで報じられている
iii)両ワクチン共に発病や重症化を抑える効果は確認されているが、ウィルスに曝露されたときに感染しない効果、感染後に人に移さない効果があるかは現時点では「わからない」
iv)分かっている限り、ファイザーのワクチンでは子供、妊婦、近く妊娠の予定がある人、アレルギー疾患のある人を集団とした治験を行っていない。Operation Warp Speedの取り残したことと言え、他のワクチンも同様のようである。また治験集団の人種構成の偏りを十分には是正できていない
v)ワクチンによる免疫の有効期間は不明である。おそらく1年程度だろうと考えられている
vi)接種開始後2週間の合衆国における実績で、ワクチンの接種速度が想定の1/10しかない。配布したワクチンの1/10しか接種されておらず、このままでは集団免疫獲得には10年を要し、それは失敗を意味する
このように、1年足らずの期間でゼロから実用化した為に第四相治験に相当する実用化後1年間の臨床事例に積み残したことが多く残ります。また、平時のワクチンとしてはアレルギー反応などに不安があり、あくまで有事のワクチンと言えます。これはやや後発となるウィルスベクターワクチンでも同様と考えられます。更にロジスティクスの問題ではなく、十分にワクチンが供給されていても実際の接種が優先接種集団でも遅々として進んでいないという想定外の問題が生じています。
古典的なワクチンとして
中国シノバックの「
コロナバック」は、古典的で豊富な実績のある弱毒化ウィルスワクチンであり、第三相治験が進行中です。また
塩野義製薬は、実績の多い組み替えタンパク質ワクチンを開発中です。成功すれば2021〜2022年には実用化すると考えられます。今回人類は、リスクヘッジのために様々な種類のワクチンを開発中です*。
〈*
新型コロナ: DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは?2020/07/27 日本経済新聞〉
ワクチンは、人類科学・医学の偉大な功績ですが、大きな効果がある一方で大小の副反応や有害事象の生じないワクチンは存在しません。有害事象や副反応については徹底的に公開、透明化した上で同時にワクチン薬害被害者の保護をすることで信頼醸成せねばならないのですが、MMRワクチン禍を代表に近くは二価HPVワクチン禍など本邦はこの点で極めて反人類的に不誠実でありワクチン行政の信頼性そのものを根本から毀損してきています。結果、本邦はいまだに「はしか」、「風疹」汚染国という先進国としては情けない国となっています。
本邦はとくに「
国策翼賛エセ医療・エセ科学デマゴーグ」の跳梁跋扈が深刻であり本件については後日、独立した特集記事を執筆する予定です。