300万円払っても矯正が一向に終わらない! 悪徳矯正治療医との長い戦いの日々

1年を過ぎても一向に終わらない治療

 渡辺さんは翌年の1月に治療を開始し、3月下旬までにコルチコトミー手術を上顎、下顎の歯茎にそれぞれ1回ずつ、アンカースクリューを合計7本埋め込む手術を受けた。  最初は週1回のペースで1回1万500円の診療を受け、10月ぐらいからは月に2回の診療を受けていた。渡辺さんはインプラント部分に鈍い痛みを感じ、その旨を医師に伝えたが、何ら回答はなかった。  また、予約を1回キャンセルすると他の患者の予約でいっぱいなので次の予約は1ヶ月近く取れないなどと伝えられており、治療を早く終わらせたかった渡辺さんは予定を最優先させて通い続けたという。  そして約束の1年が過ぎたものの治療は終わらず、治療開始から1年4ヶ月経ったある日、矯正のブラケットが取れてしまう。その後も何度かブラケットは外れてしまい、再装着を21回繰り返した。担当歯科医はその都度変わり、一向に治療が終わる気配はない。何度も歯科医やスタッフに治療がいつ終わるのか尋ねたが、回答は得られなかった。一回の予約につき40分しか持ち時間がなく、医師に質問すると「質問に答えていると時間がなくなって治療を受けられないが、それでもいいのか」と言われていたという。

むし歯の詰め物が違うと指摘されて

 そして矯正開始から2年2ヶ月経ったある日、むし歯が発見されたため、渡辺さんは治療を行うよう指示され、他の歯科医院を紹介された。そして、その歯科医院でむし歯の治療を受け終え、再度矯正診療を受けようとスタッフの歯科医に口の中を見せたところ、「詰め物が違う」との指摘を受けた。  渡辺さんは「なぜ事前に詰め物について指示してくれなかったのか」と話す。 「私は素人ですから、詰め物の素材の違いなんて分かりません。特定の詰め物でないと矯正治療ができないというなら、なぜ事前に私に伝えるか、歯科医に伝えておいてくれなかったのでしょうか」  紹介された歯科医院でむし歯の治療を受けてから矯正歯科の予約には1ヶ月が掛かっていたが、これでまた詰め物をやり直すとなるとまた矯正治療が1ヶ月後になってしまう。これではとても短期間で終わる矯正とは言えない。  そこで、担当医師に「なぜこの詰め物ではだめなのか」「治療期間がまた伸びるのか」と尋ねたところ、その歯科医は「むし歯の詰め物が馴染むまでは時間が掛かる」との要領を得ない回答をした後、治療室を出て奥の部屋に入った。
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理不尽に激高する院長
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