藻谷浩介氏「東京除外解除が、第三波感染拡大の主因」
しかしGoToトラベル東京除外を即断即決しない菅首相と追認する小池知事が、第三波の感染拡大を招いている「亡国コンビ」であることは、藻谷浩介氏(日本総合研究所主席研究員)の「
新型コロナへの対処 感情の前に事実把握を」(12月6日付の『
毎日新聞』)の記事をみても明らかだ。藻谷氏は、東京除外解除が第三波感染拡大の主因であり、両トップの急転直下の決着(高齢者と持病持つ人の自粛)は的外(まとはずれ)と指摘し、以下のように批判している。
“今回の感染再々拡大は10月後半から起きており、その半月前の10月初頭に東京都を(GoTo)キャンペーン対象地域に加えたことの影響は明らかだろう。他方で7月下旬に東京都を外して開始した際には、逆に半月後の8月上旬から新規陽性判明者が顕著に減った。つまりGoToそのものの実態ではなく、東京都を対象に入れるかどうかがカギだったのだ。
日本の陽性判明者数の3割前後が東京都在住であることからすれば、うなずける結果だ。都と他道府県との間には、人口100万人当たりに直しても数倍から数十倍もの感染率の差があり、都在住の無症状感染者の地方への旅行や、地方からの旅行者による都内での感染こそ、拡大の主因であると考えられるからだ“ (12月6日付の『
毎日新聞』)
藻谷氏と冒頭の尾崎会長の見解は、ぴったり一致した。経過を整理すると、両トップの大罪(怠慢)が実感できる。
1)第二波の感染拡大が小康状態になる前の10月1日、菅政権(首相)がGoToトラベル東京除外を解除。
2)10月後半、第三波の感染拡大が始まり、感染者数が過去最大に。
3)11月20日、尾崎会長がGoToトラベル一時中断を訴える。菅首相は即断即決せず、小池知事も要請せず。
4)12月1日、菅・小池トップ面談で高齢者と持病持ちの人への自粛を決定。
10月1日の東京除外解除は「早すぎる緩和」であり、12月1日の遅すぎる自粛決定と相まって、現在の感染拡大を招いていることは間違いない。最終決断をした菅首相と追認した小池知事の両トップは「亡国コンビ」と批判されても当然だ。一国の総理と首都のトップの機能不全状態は、いったいいつまで続くのか。二人の言動から当分目が離せない。
<文・写真/横田一>