コロナ禍での新しい初詣 「密」を避ける方法とは?

それでも三が日に参拝したいなら

 とはいえ、初詣を信仰心からではなく、正月気分を味わうイベントとして楽しんでいて、別の日程を提案されても気が進まないかもしれません。そうした方にはオンライン参拝をオススメいたします。オンライン参拝は、実際の参拝の劣化版のようにも思われがちですが、このコロナ禍で各寺社仏閣が様々な知恵を絞って、オンラインでしかできないこともあるのです。  まず、大晦日の夜の定番といえば除夜の鐘。愛知県にある紅葉で有名な普門寺では、2016年から参拝者の安全面を考慮して、夜ではなく大晦日の昼間に「おおみそかの鐘」を撞いています。例年は、参拝者も鐘をつくことができるのですが、今年は感染拡大防止の観点から住職がひとりで鐘を撞く様子が、YouTubeLiveやインスタライブで生配信されます。ただ鐘を撞く姿を眺めるのも、風情があり一年をゆっくり思い返すのには良いと思いますが、この日限定の御朱印が出ることになっており、人に接することなくインターネットや郵送で申し込むことが可能となっています。今年ならではの大晦日の形を体験してみてはいかがでしょう。  奈良の大仏でお馴染みの東大寺は年末年始にかかわらず、すでにオンライン参拝を開始しています。しかも、たんなる写真ではなく「3Dバーチャル参拝」と名付けられたページが東大寺のホームページ内に設置され、ストリートビューのように360度見回しながら、歩くように進んでいける仕様になっているのです。大仏殿は堂内にまで入ることができ、大迫力の奈良の大仏だけでなく周囲に祀られた大仏に引けを取らない仏像群も拝観することができます。実際に拝観しようとすれば、550円の入堂料がかかるところ、この3Dバーチャル参拝はなんと無料で見ることができるのです。

「すっきりメールサービス」まで

 最後にご紹介するのは、東京都にある桜神宮。多くの寺社がオンライン参拝に挑戦していますが、境内の写真を並べて行くというのが通例です。そうした中で、こちら桜神宮はホームページ内の「インターネット遥拝」というバナーから進むと、実際の参拝を体験するような作りになっています。  まず、クリック(スマートフォンならタップ)で、二礼二拍手一礼をし、次のページでは記帳(スキップも可)をします。さらに進むと、生まれ月ごとに分けられたおみくじを引くことができ、次のページでは「合格祈願」「良縁成就」などとかかれたお守りをダウンロードすることができるのです。最後のページでは、メールフォーム形式で人間関係や運勢について、宮司さんが相談に乗ってくれるページが用意されています。さらに、気持ちの悪いメールなどを桜神宮に転送して、お祓いをしたうえで処分してもらう「すっきりメールサービス」なるものも設置されています。驚くことに、これが全て無料で行えるので、ほとんど参拝の「体験」をオンラインで行うことができるようになっています。  コロナとともに過ごす年末年始。できないことを嘆くより、感染予防をしながら、こんなときにしか体験できない参拝を模索して見てはいかがでしょう。 <文/Mr.tsubaking>
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