N国党副党首・丸山穂高がSNSで「お金配りおじさん」に。国会議員は何をすべきなのか?

問題はボーナスではなく辞職しないこと

 確かに、庶民の目から見れば、国会議員のボーナスが高く思えるかもしれない。しかし、もし国会議員がちゃんと仕事をしてくれて、コロナ禍にあっても私たちの生活に不安がなく、安心して暮らせるような社会を実現してくれるのであれば、1億でも2億でも好きなだけ報酬をもらったらいいという話になるだろう。もっと多くのボーナスをもらっている敏腕サラリーマンは国会議員より多いはずで、たかだか300万円のボーナスを高く感じてしまうのは、丸山穂高をはじめ、多くの国会議員が「金額に見合っていない」と思えるような働きしかしていないからだ。  まさに刑事事件として起訴されている河井案里・克行被告や、秋元司被告が議員報酬やボーナスをもらっていることだって、自らの行いのせいで国会を全欠席しなければならない状況に追い込まれながら、いまだに国会議員を辞めていないことが大問題なのだ。これはもうボーナスが高いとか安いとかいう問題ではない。どいつもこいつも裏金に手を染めてしまった議員たちが責任を取って議員を辞めれば解決する話だ。  ホントにアジャパーなのは誰なのか、一目瞭然だろう。

70万円なんてセコいことを言わなくていい

NHKから国民を守る党近畿支部の収支報告書

NHKから国民を守る党近畿支部の収支報告書

 もし困っている人を本気で助けたいと言うのなら、丸山穂高が代表を務めるNHKから国民を守る党近畿支部がお金を出せばいい。昨年だけで1000万円以上の政党交付金が支給されているし、おそらく今年は2000万円以上の政党交付金が本部から振り込まれているはずだ。  ということは、10万円を7人にあげるなんていうセコいことを言わずとも、もっともっと大きなお金を使って、国民の生活をラクにする方法があるはずだ。政党交付金ということでお金の使い道には制約があるが、これまで法の抜け穴を突いて自由にお金を使ってきた人たちだ。70万円なんてセコい金額ではなく、いっそ3000万円ぐらい出すべきだろう。  丸山穂高は政党支部に入っているお金をどう使うのか。国会議員のボーナスが高すぎると文句をつけるほど税金の使い方にシビアなのだから、まさか自分の政治団体をもう一つ作ってマルッと寄付するようなことはするまい。さぞかし立派であろう丸山穂高のお金の使い方に期待したい。

国会議員のボーナスより大きな問題

 国会議員のボーナスより、NHKから国民を守る党が受け取っている政党助成金の方が、圧倒的に大きな問題だ。同党は年間約1億6000万円もの巨額の税金が投入されているが、昨年は約1億3000万円が無職のオジサンである立花孝志や立花孝志の会社に貸し付けられている。今のところ、立花孝志に収入らしい収入はなく、貸し付けたお金がきちんと返ってくるかどうかは、かなり怪しい。  丸山穂高は、そんな「NHKから国民を守る党」の副党首である。党首の不透明なお金には突っ込まず、「国会議員のボーナスが高い」などと主張しているのだから、他人のボーナスにとやかく言う前に、身内のお金の流れを正すべきだろう。ましてや、大臣や官房長官のボーナスと、たいした責任を背負うわけでもなく、端っこで東スポの記事にしかならない文句を言っているだけの末端ヒラ議員のボーナスでは、レベルが違う。果たして、7人に10万円を配るという使い方が本当に国民のためになるのだろうか。  丸山穂高が北方領土で酒を飲んでトラブルを起こし、加えて当時の安倍晋三総理が外交に失敗した結果、巨額のお金をロシアに取られたばかりか、日本の領土であるはずの北方四島がますますロシアのものになりつつある。つまり、丸山穂高が日本国に与えた損害というのは、たかだか70万円を庶民に配るぐらいでは到底償いきれないほどの、国のために100万回命を捧げても取り返せないほどの、とてつもなく大きなものである。  本来、丸山穂高に与えられる議員報酬やボーナスなんぞ1円たりともないはずで、国会議員がもらっているボーナスが高い安いの次元ではない。責任を取るでも、反省するでもなく、庶民にたかが70万円を配って喜んでいる迷惑系YouTuber政党の副党首。そもそも自身の起こしたトラブルになんら責任を取らず、国会議員として生き残っていることが税金の無駄だというものである。無能で仕事をしない上に、自身の行いで国家に損害を与えるような議員がとっとと辞職をすれば、少しは税金の無駄が減らせるというものだろう。 <文/石渡智大>
普段は選挙ウォッチャーちだいとして日本中の選挙を追いかけ、取材。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会