株高バブル、対中政策の行方は……?どうする、どうなるバイデン新大統領の世界経済

バイデン新大統領の経済政策が世界経済に与える影響とは

バイデン

バイデンの環境政策は、規制強化でもある。また、トランプ政権の減税から増税に転じるため、米国経済への悪影響が懸念される。写真/Shutterstock

 混乱を極めた米大統領選はバイデン候補の勝利に終わった。新型コロナウイルス感染症が再拡大するなか、史上最高値を更新する米市場をエコノミストで法政大学大学院教授の真壁昭夫氏は、こう分析する。 「もっとも重要なのは、大統領選という不確定要素がなくなったことです。つまりトランプかバイデンか、どちらが当選するかわからずに不安になっていた投資家たちは、大統領選が終わり、ひとまず安心感を得てリスクテイクを進めています。  加えて、11月5日にはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和策の継続も確認されました。カネ余りの環境は今後も続くと予想され、投資家はこれまでコロナ禍からの回復を牽引してきたテック銘柄から、製造業、小売業などを含むダウ平均採用銘柄に買いをシフトしています。これはワクチン開発が進み、経済活動が再開されることを見越してでしょう」

バイデン大統領の就任は世界経済にとってプラスに働く?

 米国の新大統領の経済政策が、世界経済に及ぼす影響は大きい。注目は、バイデン氏の主要政策の1つの「環境政策」だ。トランプ大統領が脱退したパリ協定への復帰を公約し、再生エネルギーなど環境インフラ投資に1兆3000億ドルを注入し、雇用創出を目指すものだ。  真壁氏は基本的に、バイデン大統領の就任は世界経済にとってはプラスに働くという。 「国際協調路線を採るバイデン氏は、各国実務担当者との協議に基づき、ボトムアップ型の政策運営を重視するため外交面を中心に政策の予見性が高まります。バイデン氏は中国に対して厳しい態度をとるとみられるものの、トランプ大統領が重視した対中制裁関税には反対しています。  また菅首相との電話会談では、日本の重視するインド太平洋地域の安定にも賛同している。日本は、環境関連の新しい技術を生み出し、米国からも中国からも必要とされる立場を目指すべきでしょう」
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