IT技術者界隈で話題!「本番環境でやらかしちゃった人 アドベントカレンダー」

今年、気になったカレンダーは?

 それでは、筆者が独断と偏見で、興味を持ったカレンダーをピックアップしていこう。 ・自然言語処理  自然言語処理 (NLP: Natural Language Processing) のアドベントカレンダー。 ・バイオインフォマティクス  バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野のアドベントカレンダー。 ・言語実装  コンパイラ、インタプリタ、外部/内部DSLなどの言語の実装の最適化、理論などのアドベントカレンダー。 ・N高等学校  学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校のアドベントカレンダー。 ・Yahoo! JAPAN  Yahoo! JAPAN(ヤフー株式会社)のエンジニア・デザイナーによるアドベントカレンダー。 ・ZOZOテクノロジーズ #1  ZOZOテクノロジーズの愉快なエンジニアたちによるアドベントカレンダー。その4まである。 ・個人開発  個人開発に関する知見を共有するアドベントカレンダー。 ・キーボード #1  基板設計、キーキャップ、スイッチ、GBで散財した話から、キーボードに対する思いを詰め込んだポエムまで、キーボードのアドベントカレンダー。

本番環境でやらかしちゃった人 Advent Calendar

 さて、アドベントカレンダーの中でも、ネットで話題になるものがある。今年、既に話題になっているのが、本番環境でやらかしちゃった人 Advent Calendar 2020だ。何と言うか、名前からして胃が痛い。ちなみに、去年のものもある。  登録されているタイトルから単語を拾ってみよう。これだけでお腹がいっぱいというか、吐きそうな内容だ。 「本番環境」「サービスが動かなくなった」「本番サーバーを落とした」「Webサービスのデータをふっとばした」「クラスタを回復させようとしてクラスタを丸ごと落としてしまった」「サーバにログイン出来なくなった」「ネットワークでやらかした」「本番環境のモジュールを吹っ飛ばした」「AWSでやらかして3桁万円請求された」「本番環境と検証環境が入れ替わってしまった」  それぞれの記事を読んでいくと、どういった前提で、どんな失敗をしてしまい、その結果どうなったのか(復旧したのか)などが書いてある。  実は、こうした話は、他の人にとって非常に役に立つ。どういった注意を怠ると、どんなミスが起きるか。経験者しか知らないことを共有できるからだ。  こうした失敗の共有が役立つことは、IT業界だけではない。たとえば、失敗学会による失敗知識データベースというものがある。機械、化学、建設、原子力など、様々な分野の失敗知識がまとまっており、事例を知ることができる。  また、失敗の一歩手前のヒヤリ・ハットもある(コトバンク)。厚生労働省のサイトには、職場のあんぜんサイト:ヒヤリ・ハット事例として、事故の危険のあるケースが400件近くまとまっている。公益財団法人日本医療機能評価機構による、薬局ヒヤリ・ハット事例もある。  こうしたヒヤリ・ハット(ヒヤリとした、ハッとした)は、アクシデント(事故)に対して、インシデントと呼ばれたりする。
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失敗を開示・共有できる社会は、隠蔽を減らす
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