「ノーマスク集会」の国民主権党が、いろいろと一線を超える存在になっていた
2020.12.03
科学が無視される日本の厳しい現実
日本が欧州諸国に比べてマシだった理由の一つは「マスクの着用率が高かったから」だと言われています。
日本はマスクをつけて歩くことに抵抗の少ない国だったので、新型コロナウイルスが流行してからは、みんながマスクをつけるのが常識になりました。ところが、マスクのほとんどを中国製に頼っていたため、中国からの輸入が止まった瞬間、日本は深刻なマスク不足に陥ってしまいました。そこで日本では、何度も洗って使える布製やウレタン製のマスクが流行するようになりました。いまや街を歩いても、若者のほとんどはウレタンマスクをつけており、不織布マスクをつけている人はほとんど見かけないほどです。
ところが、「富岳」のシミュレーションでも分かるように、布マスクやウレタンマスクでは飛沫を防ぐ効果が薄く、最も感染防止に効果があるのは「不織布マスク」であることがわかっています。かつては30枚で5000円みたいなベラボウな金額で売られていたこともあった不織布マスクですが、最近は価格も元に戻ってきて、1枚あたり10円以下で買えることも珍しくありません。本当はみんなが不織布マスクをつけるだけで、もう少し感染を減らすことができると考えられるのですが、日本は科学を捨てているので、安倍晋三前総理は国民全員に2枚の布マスクを支給。これにより、布マスクでいいならウレタンマスクでもいいという空気は余計に広がってしまったと考えられます。
「マスクは危険」とか言っている奴もカルトなのですが、「不織布マスクが少数派」という日本もまた、まだまだ終息に時間がかかるのではないかと予想されます。どこにも行けない世の中は、マスクをしながら走るぐらいに息苦しいものですが、政府がこうした科学的な見地に基づいた正確な情報や行動指針を発表をしないことも、感染拡大を止められない原因の一つになっていると思います。「なるべく不織布マスクをつけましょう」と呼び掛けることは一切のお金がかけずにできるのですから、「食事の時間は小一時間まで」と呼び掛けるよりは、高い効果を発揮するのではないでしょうか。
嫌われてもいいから目立つ戦略は失敗である
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