トリチウム汚染水にガンマ線サーベイメーターを当てて「みんなで安全性を確認した」と言ってしまう渡辺康平さんなので、今度は東京電力に「処理水ボトルの水は飲めるのか?」という質問をしました。
だいたい原発推進系の御用学者たちは「プルトニウムは食べても安全」とか「プルトニウムは重たい原子なので遠くに飛ばない」とか言ってしまう人たちなので、何を言うのかと思えば「
煮沸すれば飲める」という斬新なお答え。
もし本当に「煮沸すれば飲める」というのであれば、こんな朗報はございません。それが本当ならわざわざ海の流さなくても、万事解決する方法があります。こんなものを海に流そうとするから、みんなが心配しちゃうのであって、みんなで煮沸して飲めばいいじゃありませんか! まずは「飲める」と言っている東京電力の社員とその家族から。次いで、その話を聞いて「なるほどガッテン」をしている渡辺康平さんをはじめ、その周辺の議員と家族から、煮沸すれば飲める健康にも何も問題がないというトリチウム汚染水を飲めばいいのです。みんなで飲めば、わざわざ海に捨てなくてもタンクの水を減らせるじゃありませんか! さあ、今日から飲みましょう!
渡辺康平さんの“ ちなみに、処理水ボトルの放射線量は、0.12マイクロシーベルト、対比する市販の家庭用ゲルマニウム温浴ボール1.38 マイクロシーベルトでした。”という、間違っている
ツイートに対し、連日、東京電力の記者会見などを取材している「おしどりマコ」さんが“ 0.12μSv/hはBGでH3のβ線は測れていません/ゲルマ温浴ボールは水だけではなくボールが入ってます?/ラジウム岩盤温泉もけっこう高いですよね/で、問題はそこじゃ全く無いんです/原発事故で放出された核種が環境中に制御されず散らばってることが問題なんです/無意味な比較にいつまで騙されるのでしょう”と、その間違いを
指摘しました。
ちょっとだけ専門的なので解説しますと、渡辺康平さんがツイートしている0.12マイクロシーベルトというのはバックグラウンド(その場所の空間線量のこと)であって、H3(三重水素=トリチウム)のベータ線は測定できていない。ラジウム岩盤温泉しかり、自然界にも放射線を出すものは存在し、空間線量が高くなるという現象も見られますが、問題は自然界にあるものではなく、原発事故によって自然界には存在しない核種がばら撒かれ、それが人体に影響を及ぼすかもしれないことだという話です。
おしどりマコさんのこの至極真っ当な指摘に対し、渡辺康平さんが
言ったことは「
福島の食べ物について『食べて応援は自殺行為』と自らの講演の告知に書いたのは事実か否か、はいかいいえでお答え頂けますか?」です。会話が噛み合っていません。
そもそも告知を作ったのはイベント主催者側で本人ではないだろうし、この「食べて応援は自殺行為」という文言も、政策についての話であって、「福島の食べ物」をピンポイントで言及するものではありません。
だいたい食品の放射能汚染は福島限定で起こっているものではなく、遠く離れた長野県や静岡県でもキノコなどは100ベクレルを超えるものが見つかります。本当は東日本全体の問題なのに、福島の議員がわざわざ「福島の食べ物」と括ってしまう。それで「風評被害だ!」と言われても、「風評被害を作り出しているのはオマエなんだよ!」という話にならないのでしょうか。
「はいかいいえでお答え頂けますか?」とか言っていますけど、もし主催者が書いたことに加え、福島の食べ物について語っているものではないということで「いいえ」と答えたとしても、きっと渡辺康平さんは「そうは言っても、ここに書いてあるじゃないか! ここに揺るがぬ証拠があるのにシラを切る気か!」と言ってくるのではないかと思うのです。
そんなことより、
県議である自分が無知なのか確信犯なのかわかりませんが、デタラメ科学を吹聴し、トリチウム汚染水の大安全キャンペーンを繰り広げていることの方がよっぽど問題だと思わないのでしょうか。
ちなみに、実際のやり取りについては、おしどりマコさんが「発言したこともありませんし、私の講演動画はWebに数多く上がっておりますが、一度もそのような内容はありません。また私が関わったとする虚偽の記事をWebに書かれたライターの方もおられましたが、虚偽の内容だと抗議したところ、講談社からは事実確認が取れていない内容とご迅速に対応頂きました」と、講談社の回答書まで添付して説明。これに対して渡辺康平さんがどうリアクションするのかなと見ていたら、「質問と回答が違います。はい、いいえ、で答えられる質問です。何か答えられない理由でもありますか?」でした。
そんなわけで渡辺康平さんには、マジでその方法でトリチウム汚染水の安全性が確認できると思っているのかどうかを「はい」か「いいえ」でお答えいただきたいと思います。
東京電力からガンマ線の空間線量計を渡されて、トリチウム汚染水の入ったボトルに押し当てて「科学的に安全が確認された」と言ってしまう福島県議の視察団。
知識のレベルが素人以下という無知無見識な軍団が、何も勉強することもなく、何もわからないまま、トリチウム汚染水を海に流していいのかどうかを決めようとしているのです。トリチウムがベータ線を出すことすら知らないということは、「トリチウム」と「鳥貴族」の区別すらつかない可能性もあるんじゃないでしょうか。どいつもこいつも雁首揃えて誰もツッコまないどころか、まんまと東京電力のデタラメ科学プロパガンダに利用されるだけの福島県議会議員団。事故のあった建屋を見下ろせる高台で、のんきに記念写真を撮ってる場合じゃありません。今すぐ勉強して出直してくるべきでしょう。
<文/選挙ウォッチャーちだい>