名刺交換だけでビジネス相手を分析できるか? 限られた情報で性格や志向を見極める秘訣とは

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染防止対応が長期化する見通しのなか、メールや電話、リモート会議で社内外のビジネスを進めることが常態化している。

「見せかけの合意」が放置されていないか

観察しているイメージ画像

photo via Pexels

 私はこうしたビジネススタイルの変化がもたらす影響に、大きな危惧を感じている。対面でのコミュニケーション機会が極めて限られるなか、相手の状況や考え方が把握できていないままビジネスが進み社内のメンバーや顧客を巻き込む度合が低下して、「見せかけの合意」が氾濫するのではないかと思えてならない。  もちろん、対面でのコミュニケーションを回避してリモートでビジネスを進めることは、感染防止の観点から必要不可欠なことだ。筆者はそのことに反対しているわけではない。  しかし同時に、巻き込みの低下というネガティブインパクトを放置せず、これを最小限に留めることにも思いを巡らさなければならないと思うのだ。

カメラ/マイクオフはビジネスを減速させる

 巻き込み低下を防ぐために私がお勧めしていることは、リモート会議を常時カメラオン/マイクオンで実施することだ。しかし、企業によっては、リモート会議はカメラオフ発言するとき以外はマイクオフという不文律がある。  この状態を続けていくと、相手の表情を把握しないでコミュニケーションすることが常態化してしまう。相手の状況や考え方が把握できていないことに気づかぬままプロセスが進み、ひいてはビジネスを減速させてしまうことになりかねない。  そこで私は、常時カメラオン/マイクオンでリモート会議を実施している。もちろん、インターネット回線の安定性についての心配もあるだろう。しかし連日、ときには数十人単位でZoomでの会議や演習をしていても、今のところ大きな問題を感じていない。  まれに参加者の一人が、その人が利用しているインターネット回線の不安定さなどの理由により回線が途切れることがある。この問題は、全員のカメラやマイクをオフにしたからといって防げたわけではないように思える。  インターネット回線の安定性確保という名目のために、参加者が顔を出さない、声を出さないという状況、ひいてはお互いに表情を示さないという悪しき状況を加速させてしまっているのではないかと思えてならないのだ。
次のページ 
ビジネスの相手をパターン化することで多様な対応をする
1
2
ひとつの質問で合意形成できる! ビジネススキル急上昇 日めくりドリル

ひとつの質問で、合意形成できる! 1日1問で確実にデキるようになる! 年間100社・5000人、20年以上実践してきた能力開発プログラム

バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会