NHKから国民を守る党、「ゴルフ党」へ改名。副党首も困惑

「ゴルフ党」が猛烈な逆風となっている

 税金でゴルフがやり放題になることと引き換えに、NHKから国民を守る党の支持率は深いバンカーの底にハマりつつある。  NHKから国民を守る党を妄信的に支持している「N国信者」は、大きく2つに分けられる。1つは、立花孝志が何をしてもいいから、とにかくNHKをぶっ壊してほしい「NHK破壊原理主義者」たち。もう1つは、タブーを破って世間からバッシングされる様子も含めて面白がる「炎上系YouTuber支持派」である。  観察している限り、N国党を支持する人たちの多くは、ただのNHK嫌いである。あまりにNHKのことが嫌いすぎて、立花孝志の奇行さえも許してしまう人たち。集金人を追いかけたり、勝てない裁判を仕掛けたりする様子を見て溜飲を下げている人たちである。  しかし、今回の「ゴルフ党」への改名は、こうした人たちを失望させている。どうしてこんなにポンコツな政党でも支持ができたのかと言ったら、それは「NHKから国民を守る党」の一丁目一番地が「NHKをぶっ壊す」だったからである。こんな名前の国政政党が存在するだけで、NHKに対しては十分に嫌がらせになっている。NHKが政党支持率の調査結果を発表しようものなら「NHKから国民を守る党」という名前は出さないわけにはいかないし、各政党の党首に話を聞くことになれば、それこそ立花孝志を出演させたあげく「NHKから国民を守る党」という名前を出さなければならないのだ。NHKが「NHKから国民を守る党」の政見放送を流さなければならなくなった時には、みんな大喜びだった。  ところが、「ゴルフ党」に名前が変われば、もうNHKに対する嫌がらせでもなくなってしまう。立花孝志は今後、1年ごとくらいに「誹謗中傷から国民を守る党」や「裁判所から国民を守る党」といった感じで名称変更していくことを検討しているそうだが、何に変えても支持率の回復は見込めないことだろう。ここ2ヶ月ほどは、ネット上の誹謗中傷問題に力を入れることを発表し、若干ながら支持率が回復傾向にあったが、「ゴルフ党」なんていうものに改名を宣言した時点で、すべてが終わってしまった。  11月16日にアップした「ゴルフ党【NHKから国民を守る党】に党名変更した理由 NHKから損害賠償金を取るためです。」という動画で、立花孝志は、NHKから国民を守る党が議席を獲得すれば自民党が動いてくれると考えたが、自民党が動いてくれなかったので滞留していると説明した。  話をまとめると、NHKのスクランブル放送化が進まないのは自民党のせいだというのである。結局、最後まで動画を見ても、ゴルフ党に改名した方がNHKに対する攻撃につながるという理屈はまったくわからなかったのだが、立花孝志に言わせれば、「動画を見る人の理解力の無さ」が原因ということになるのだろうか。

副党首まで困惑する事態

 かねてから「ゴルフ党」に改名することを匂わせていた立花孝志だが、副党首である丸山穂高に対して説明することはなかったのだろう。記者からの質問が殺到して対応しきれないということで、丸山穂高はTwitterでコメントを出しているのだが、「NHK問題の一点で共闘する」という約束だったので、「ゴルフ党」への名称変更については様子を見守ると言いたいようである。  しかし、来年1月にもなれば、丸山穂高は「ゴルフ党」の副党首だ。有無を言わさず「ゴルフ党」の一員であり、これからは襟を正して、いや、襟を立たせて、人生のバンカーを転がらないように頑張っていただきたい。これから政局の風を読むことも必要になるだろうが、風を読む時にはぜひ、むしった芝生を空中に放り投げるスタイルで見定めてほしい。
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