もちろん、当初彼女が修復したものにエリアス・ガルシアの孫たちは憤慨して訴訟を起こす構えであったという。しかし、孫の代表と彼女との会談で彼女には悪意は全くなく、善意でそれを試みたということ、そして、彼女が不出来な作品にしたとして多くの人たちから痛烈な批判を受けて苦しんでいたということをガルシアの孫たちは理解した。
そのような彼女の苦しみをつゆ知らず孫たちは彼女を批判したことに反省し、またセシリアも寄贈されたキリストの像を汚してしまったと反省していた。ということで双方が謝罪したという。
今回の出来事はセシリア・ヒメネスの信心深い心がそれをさせたということで神様が彼女の良心から出たその行為に報いるようにしたのかもしれない。
ともあれ、今回のパレンシアで再び起きてしまった「ポテトヘッド」事件。この出来事がこれからどのような運命を辿るか、今はまだ誰も分からない。
<文/白石和幸>